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日本盲導犬協会「事業所従業員の盲導犬同伴利用に関する意識調査」
公益財団法人日本盲導犬協会
2026年3月30日
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202603266371-O1-4cdF9vLC】
公益財団法人日本盲導犬協会(理事長:金髙雅仁)が、盲導犬使用者(以下、ユーザー)216人を対象に実施したアンケートにおいて、この1年間での「盲導犬同伴での受け入れ拒否の有無」について聞いたところ、「受け入れ拒否にあった」と回答したユーザーが94人おり、延べ226件の拒否が発生していることがわかりました。具体的な発生場所としては、飲食店が最多で、次いで小売店、宿泊施設と続き、毎年多くのユーザーが活動の制限を受けている現状があります。
こうした現状を受け、2025年12月に、2度目となる事業所で働く従業員を対象とした『盲導犬および視覚障害に関する意識調査』を実施し、盲導犬や視覚障害者に対するイメージや法律の認知度、サポート意識などを調査しました。その結果、盲導犬同伴での施設利用に対し、「周りのお客様に迷惑になるのではないか」という回答が一定数あり、こうした不安がユーザーの受け入れを阻む要因の一つであると考えられます。
そこで、本リリースでは、調査結果を一部抜粋して報告するとともに、施設を共に利用する市民はどう感じているのか、ユーザーが盲導犬と一緒にどのように施設を利用しているのか、それぞれの立場での声をまとめることで、改めて「盲導犬同伴での施設利用」について考えます。
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【調査概要】
・調 査 名:盲導犬および視覚障害に関する意識調査
・期 間:2025年12月8日〜12月10日
・調査対象:下記いずれかの業種に従事する全国の20~69歳の男女1,000人
飲食業/宿泊業/医療業/小売業/不動産賃貸業/生活関連サービス・娯楽業/複合サービス・金融業/
交通機関(バス/タクシー/鉄道)
・地域:47都道府県
・調査方法:インターネット調査
・質問内容:アンケート47項目
・調査機関:株式会社ネオマーケティング
※経年変化を調査するため、今後も定期的なアンケートの実施を計画しています。
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1.事業所で働く従業員の4割がユーザーの受け入れに戸惑い。背景には「他のお客様の反応」を心配する声が…
今回の調査では、事業所で働く従業員の盲導犬や視覚障害者に対するイメージや勤め先での受け入れの 意向を問う設問を設け、受け入れを阻む要因を分析しました。
『あなたのお勤め先で、今後盲導犬ユーザーの利用を受け入れますか(Q33)』という問いに対し、「受け入れる」と回答した人は59.6%でした。一方で「受け入れない」と回答した人は7.2%、「どちらともいえない」と回答した人は33.2%でした(図1)。業種別では、「受け入れる」と回答した人が最も多かったのは「公共交通機関(鉄道)」の70.0%、次いで「公共交通機関(バス)」が65.0%でした(図2)。公共交通機関という特性上、ユーザーや視覚障害者が利用する機会が多く、それに伴い、盲導犬や法律についても 比較的認知・理解されていることが分かります。
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次に、『今後盲導犬ユーザーの利用について「受け入れない」「どちらともいえない」と回答した理由(Q35,36)』を聞いたところ、「受け入れない」という回答に対しては、「衛生面が心配」「店舗・施設が狭く、安全確保が難しい」「アレルギーを持つ利用者への対応が難しい」「他の利用者からの苦情・クレームが懸念される」などの理由があげられました。一方、「どちらともいえない」という回答に対しては、「実際に受け入れたことがないためイメージできない」「社内で方針が定まっていない」「他の利用者の反応がわからない」などの理由があげられました(図3,4)。
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さらに、『勤め先に盲導犬が入ることへのイメージ(Q18)』についても聞いたところ、「受け入れない」と回答した人は「盲導犬が入ることは不衛生だ」「盲導犬が入ると他のお客様に迷惑だ」という回答が最も多く、「どちらともいえない」と回答した人は「盲導犬が入ることは不衛生だ」という回答が最も多く、次いで「盲導犬が入ると邪魔だ」という回答が続きました(図5)。
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また、『勤め先に盲導犬が入ること対して懸念に感じること(Q20)』を自由記述でも聞いたところ、以下のような声があげられました。
・「他のお客様が盲導犬を見て、驚いたり、嫌がる態度をするかもしれない」(飲食業)
・「他のお客様からクレームがないか心配」(宿泊業)
・「衛生的にほかの動物が入ることは禁止しているのに、盲導犬だけ入っていいものか心配」(医療業)
・「普段接する機会がないので、どう対応していいかわからない」(複合サービス・金融業)
これらの結果から、事業所で働く従業員の4割がユーザーの受け入れに不安や戸惑いを感じている背景には、犬の衛生面への懸念や、それに伴う、周りの他のお客様の反応や苦情への懸念が影響していることが分かります。では、実際に盲導犬ユーザーの利用は周りの他のお客様にとって迷惑になるのでしょうか。施設を共に利用する市民の声も調査してみました。
2.市民の7割が盲導犬の受け入れに賛同。市民の声がユーザーの社会参加を後押し。
今回の事業所で働く従業員への調査とは別に、協会では、2025年8月に一般市民1,200人を対象にアンケート調査を実施し、盲導犬と一緒に施設を利用することへのイメージ把握を行いました。
※調査結果の詳細については、2025年12月配信のリリースを参照ください。
『あなたがよく利用する店舗・施設・交通機関を、盲導犬ユーザーにも利用してほしいと思いますか(Q43)』という問いに対し、「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した人は全体の76.9%にのぼりました(図6)。
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『あなたがよく利用する店舗・施設・交通機関を盲導犬ユーザーが一緒に利用するとしたら、心配ですか(Q44)』という問いでは、犬の衛生面や行動面など9つの観点で確認したところ、全体の約7割の人が「あまり心配ではない」「全く心配ではない」と回答しました(図7)。
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また、『身体障害者補助犬法に基づき、盲導犬の同伴が認められていることについての是非(Q39)』を 問う質問でも、「とても良いと思う」「やや良いと思う」と回答した人は83.2%に上りました。さらに、法律について『障害者がお店を利用する権利を考えると妥当だと感じる(Q42)』と回答した人は71.0%でした(図8)。
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これらの結果から、ユーザーと一緒に施設を利用することに対してネガティブに感じている市民は半数にも満たず、法的な観点からも賛同していることが分かります。また、「自分がよく利用する店舗・施設・交通機関を盲導犬ユーザーにも利用してほしい」という意見は、ユーザーの社会参加を大きく後押しするものと考えられます。
3.どう解決した?~盲導犬ユーザー受け入れ対応事例~
協会には、毎年多くのユーザーから受け入れ拒否の解決に向けた相談が寄せられます。ユーザー自身の説明では理解が得られなかった場合、協会がユーザーに代わって問題解決に向けて対応する「アドボカシー活動」を行っています。こうした受け入れ拒否を協会ではどのように解決に導いているのか、また、実際にユーザーは盲導犬と一緒にどのように施設を利用しているのか、その一例を紹介します。
■事例:「盲導犬は入れません」と言われたネットで予約した飲食店(栃木県宇都宮市)
該当店舗へ事情を尋ねたところ、「店内が狭く盲導犬を待機させる場所がない」、また「他のお客様からの問い合わせがあった際にどう対応したらいいかわからない」という不安から、ユーザーに対して「盲導犬は外に繋ぎ、周りの方の助けを借りる形で入店をしてほしい」と伝えたということだった。
協会からは、「盲導犬はユーザーの側で待機するため必ずしも広いスペースが必要なわけではないこと」を説明し、周りのお客様から心配の声があった際には、「ペットではなく盲導犬であり、身体障害者補助犬法という法律のもと受け入れていることを説明してみてほしい」と助言をし、理解を求めた。改めて店舗責任者と相談をすることとなり、数時間後、お店側から連絡があり、「店内奥の席であれば盲導犬の待機スペースも確保できそう」との返答をいただいた。ただし、「トイレなどで席を立つ際には盲導犬を連れてではなく、同伴者と一緒に行ってほしい」と要望があがった。そこで、あくまでも決めるのはユーザーであることを説明しつつ、ユーザーにも「初めての受け入れとなるため、お店側も心配や不安を抱えている」ということを説明すると伝える。最後に、「何かあったら遠慮なく店長を呼んでくださいとユーザーさんへお伝えください」と心強い言葉をいただき、話を終えた。
その後、ユーザーに受け入れについてご理解いただけたことを報告。お店側から相談のあった「トイレなどで席を立つ際のこと」など、今回が初めての受け入れであるため、多少の不安が残っているというお店側の心情も伝える。すると、ユーザーからは「通路が狭いようだったら、トイレなどで席を立つときには、犬は座席で待たせて知人に連れて行ってもらうようにするよ」とお店側に寄り添ったお言葉をいただいた。
●盲導犬の待機場所~盲導犬には広いスペースが必要?
実際、盲導犬はユーザーの足元で静かに待機することができるため、特別に広いスペースを必要とするわけではありません。座席の広さによっては、横ではなく、自分の足とイスの間に犬を入れて待機させるなど、ユーザーが犬に適切に指示を出して待機させています。また、お座敷のような土足禁止の場所に上がる際には、タオルで足を拭いたり、敷物を敷くなどの配慮をしています。
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しかし、事業所で働く従業員の46.4%が、『ユーザーが適切な犬の管理に関する知識や技術を習得していること(Q13)』を「知らない」と回答しました(図9)。
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●盲導犬とペットの犬~どこを見たら見分けられる?~
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盲導犬は必ずハーネスという道具を身に着けており、周囲の方々に盲導犬であることが分かるように表示がされています。また、盲導犬使用者証という法律に基づいた書類を携帯しており、盲導犬かどうかを確認するために、こうした表示や書類を確認することは失礼なことではありません。しかし、事業所で働く従業員の60.4%が、『盲導犬が身に着けているハーネスに「盲導犬」と表示されていること(Q14)』を「知らない」と回答しました(図10)。
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●周りのお客様の反応が心配~どう説明したらいい?~
例えば、お隣の席になるお客様に対して、「お隣に盲導犬をお連れのお客様をご案内しますね。何かご心配なことがありましたら、スタッフへお声がけください」などと一言お声がけするだけでも、十分な配慮となります。もし「犬が苦手」「アレルギーがある」などの申し出があった場合には、ユーザーへ事情を説明した上で、離れた席へご案内する、動線を分けるなどの工夫をすることで、お互いが安心して利用することができます。
~まとめ~
今回の調査や事例を通じて、事業所で働く従業員が盲導犬ユーザーを受け入れる際に感じる不安や戸惑い、そして盲導犬に対する誤解が浮き彫りになりました。一方で、多くの市民が盲導犬の受け入れに賛同しているというデータは、受け入れる側の事業所従業員にとっても、盲導犬ユーザーにとっても大きな後押しとなります。
盲導犬ユーザーも、周りの他の利用者も、どちらも一人のお客様です。こうした正しい知識や対応方法を広く社会に発信することで、受け入れる側も受け入れられる側も、そして共に利用する側も「お互いが安心して」利用できる環境づくりの参考となれば幸いです。
日本盲導犬協会では、受け入れ理解促進のための取り組みを拡充するため、「盲導犬ユーザー受け入れ・接客セミナー」をオンデマンド配信しています。セミナー動画は、協会YouTubeチャンネルにて限定配信しています。
●盲導犬ユーザー受け入れ・接客セミナー(基礎編)
内容:盲導犬・視覚障害について、身体障害者補助犬法と盲導犬ユーザーの受け入れについて
●盲導犬ユーザー受け入れ・接客セミナー(応用編)
内容:障害者差別解消法について、盲導犬ユーザー・視覚障害者への接客・誘導の具体例の紹介
※応用編は業種別(商業施設・小売店、医療機関、宿泊施設、タクシー)に動画があります。
視聴をご希望の方はこちら
また、将来的に受け入れ拒否をゼロにしていくためには、未来を担う子供たちへの教育も重要と考えています。そのため、2023年から盲導犬子ども向け動画サイト『にちもうジュニア』をオープンし、子供たちがいつでもどこでも気軽に学べる環境を整えました。この『にちもうジュニア』では、盲導犬についての動画に加え、盲導犬の一生・視覚障害・訓練士の仕事・ボランティアについてなど、誰でもわかりやすい動画を配信しています。
●盲導犬子ども向け動画サイト『にちもうジュニア』
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=ExcZMua_K0s】

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図9

図10

図8

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図3

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使用者証
プレスリリースPDF
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プレスリリースURL
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