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未治療の慢性リンパ性白血病に対しイムブルビカ®とベネトクラクス併用の固定期間治療が新たな治療選択肢
ヤンセンファーマ株式会社
未治療の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)に対し イムブルビカ®とベネトクラクス併用の固定期間治療が新たな治療選択肢として可能に
1日1回、経口薬のイムブルビカ®とベネトクラクスによる固定期間治療は 未治療の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者さんに深く持続的な奏効をもたらす
Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は20日、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤「イムブルビカ®カプセル140mg」(一般名:イブルチニブ、以下「イムブルビカ®」)について、電子添文を一部改訂(自主改訂)した結果、イムブルビカ®とBCL-2阻害剤であるベネトクラクスの併用療法が、未治療の慢性リンパ性白血病[Chronic Lymphocytic Leukemia: CLL、(小リンパ球性リンパ腫:Small Lymphocytic Lymphoma:SLL)を含む]に対する新たな治療選択肢として患者さんに提供可能になることをお知らせいたします。
今回の改訂内容は、ベネトクラクスに未治療のCLL/SLLの効能又は効果が追加されたことに伴い、併用薬として使用されるイムブルビカ®の電子添文【7.用法及び用量に関連する注意】項にて、「ベネトクラクス以外の抗悪性腫瘍剤との併用による有効性及び安全性は確立していない」旨を注意喚起するものです。
イムブルビカ®とベネトクラクスの併用療法については、海外第III相GLOW試験(NCT03462719)1、海外第II相CAPTIVATE試験(NCT02910583)2及び国内第II相試験(M20-353試験)3において、有効性と安全性が検討されました。
海外第III相GLOW試験(NCT03462719)は、未治療のCLL/SLL患者さん211 例を対象に、有効性及び安全性をイムブルビカ®(I)とベネトクラクス(V)固定期間治療とchlorambucil(Clb)*とオビヌツブマブ(O)療法とで比較検討する、無作為化、非盲検、第III相試験です。また海外第II相CAPTIVATE試験(NCT02910583)は、未治療のCLL/SLL患者さん323例を、微小残存病変(Minimal Residual Disease:MRD)コホートと、固定期間(Fixed-Duration:FD)コホートに分け、イムブルビカ®とベネトクラクスの併用療法について検討した第II相、多施設共同試験です。
*chlorambucilは国内未承認です
海外第III相GLOW試験の結果、独立評価委員会判定に基づく無増悪生存期間(Progression Free Survival :PFS)の中央値は、I+V併用群は未到達(95%信頼区間:31.24カ月~NE)、Clb+O併用群は20.96カ月(95%信頼区間:16.59~24.67カ月)であり、I+V併用群がClb+Oに対して統計学的に有意な差を示し、主要評価項目を達成しました(ハザード比0.216、95%信頼区間:0.131~0.357、P<0.0001)。(データカットオフ:2021年2月26日)
また海外第II相CAPTIVATE試験(FDコホート)の結果、2018年のInternational Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia(iwCLL)ガイドラインを用いた治験責任医師判定に基づく完全奏効(Complete Response)又は骨髄回復が不完全な完全奏効(CRi)を達成した患者さんの割合は、全投与集団で55.3%(95%信頼区間:47.6~63.1%)、17p欠失を有さない患者集団で55.9%(95%信頼区間:47.5%~64.2%)であり、いずれの集団においても深い奏効が示されました。(データカットオフ:2020 年11月12日)
いずれの試験においても、イムブルビカ®とベネトクラクス併用時の安全性プロファイルは、各薬剤における既知の安全性プロファイルと一貫しており、良好であることが示されました。
更に国内第II相試験(M20-353試験)は、コホート2において、未治療のCLL/SLL患者さん10例**を対象に、イムブルビカ®とベネトクラクスの併用療法の有効性及び安全性を評価した、非盲検、単群、2コホート、多施設共同試験です。
**コホート2の10例が解析対象
CLLとSLLは同一の細胞起源を有する疾患と定義されており、日本国内におけるCLLとSLLの患者総数は、白血病全体の1~2%4、約2,000人と報告5されています。いずれも高齢者に多くみられる希少疾患で、化学療法のみでの治癒は難しく、再発・進行を繰り返します。
Johnson & Johnson Innovative Medicine Japanの代表取締役社長であるクリス・リーガーは、次のように述べています。「イムブルビカは世界で初めて承認された BTK 阻害剤であり、これまでCLL などのB細胞性腫瘍患者さんのアウトカムと生活の質の改善に貢献してきました。この度、経口薬による、1日1回のイムブルビカとベネトクラクスの固定期間治療が投与可能になったことは、CLLにおける治療を進化させ、さらに最適化するという我々の揺るぎないコミットメントを更に強くするものです」
イムブルビカ®は、日本国内では2016年5月に発売され、現時点で慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)の4つの適応症で承認を取得しています。また2025年3月には、イムブルビカ®とベネトクラクスとの併用療法が、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の新たな治療選択肢となりました。
慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphocytic Leukemia)について
慢性リンパ性白血病は、一般的に進行の遅い白血球のがんです6。CLLは高齢の方に多く発症し、診断時の年齢の中央値は72歳です7。患者さんの予後はこの数十年で大きく改善したものの、増悪を繰り返すこと、治療が必要であることが、依然としてこの病気の特徴です8。再発や、治療に対する抵抗性を示すことがあり、多くの場合、患者さんは複数ラインの治療を受けることになります9。治療においては、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤などの新規分子標的薬の登場で、一般健常人集団とCLL患者さんの長期の生存率は同程度にまで改善しています10。
GLOW試験について
GLOW試験(NCT03462719)は、高齢(65歳以上)、又は18〜64歳でcumulative illness rating scale(CIRS)スコア6以上又はクレアチニンクリアランス70 mL/分未満のCLL/SLL患者さん【International Workshop on CLL(iwCLL)規準において治療を要する活動性疾患と判断される患者さん】を対象に、一次治療としての有効性及び安全性をイムブルビカ®(I)とベネトクラクス(V)固定期間治療とchlorambucil(Clb)とオビヌツブマブ(O)療法とで比較検討する、無作為化、非盲検、第III相試験です11。17p欠失又は既知のTP53変異を有する患者さんは除外されました11。211例の患者さんを1対1の割合でI+V療法群(n=106)又はClb+O療法群(n=105)に無作為に割り付けました。年齢の中央値は71歳でした11。I+V療法群に割り付けられた患者さんには15サイクル(1サイクルは28日間)の治療を実施しました。まずイムブルビカ®単剤の導入療法を3サイクル実施し、続いてI+V療法を12サイクル実施しました11。Clb+O療法群に割り付けられた患者さんは、6サイクルの治療を行いました11。主要評価項目は、無増悪生存期間で11、主な副次評価項目は、MRD陰性率、完全奏効率、全奏効率、全生存期間及び次治療までの期間です11。
CAPTIVATE試験について
第II相CAPTIVATE試験(NCT02910583)では、前治療歴のない70歳以下のCLL/SLL患者さん(高リスク特徴を有する患者さんも含む)からなる2つのコホート(微小残存病変[MRD]に基づくI+V治療後のプラセボ投与のMRDコホート(43例)と固定期間治療のFDコホート(159例)を対象に評価を実施しました12,13,14。固定期間治療群の患者さんは、導入期にイムブルビカ®による治療を3サイクル受けた後、I+V併用療法(経口イブルチニブ[420 mg/日]+経口ベネトクラクス[5週間かけて徐々に400 mg/日まで増量])を12サイクル受け、主要評価項目は治験責任医師判定に基づくCR/CRi率でした13。MRDコホートでは、導入期にイムブルビカ®による治療を3サイクル、その後にI+V併用療法を12サイクル行った後、MRD陰性が確認された患者さんを、二重盲検下のプラセボ群又はイブルチニブ継続群に無作為に割り付けました13。主要評価項目は1年無病生存期間でした13。
イムブルビカ®について
イムブルビカ®は、ヤンセン・バイオテック社とアッヴィ社の傘下にあるファーマサイクリックス社が共同開発・販売する、1日1回の経口剤です15。イムブルビカ®は、特定のがん細胞を含む正常及び異常なB細胞が増殖及び拡散するために必要とするブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)というタンパク質の働きを阻害します16。BTKを阻害することにより、イムブルビカ®は異常なB細胞を生存環境から切り離し、その増殖を抑制します17。
イムブルビカ®は、世界100カ国以上で承認されており、325,000人以上の患者さんに使用されています18。第III相試験18試験を含め、50件以上の企業主導の臨床試験が行われており、11年以上にわたりイムブルビカ®の有効性と安全性を評価しています16,19。2021年10月に、イムブルビカ®はWHO(世界保健機関)の必須医薬品・診断薬リスト(EML)に掲載されました。このリストには、世界保健上の優先事項に対処しており、すべての人にとって入手可能で安価であるべき医薬品が収載されています20。
Johnson & Johnson について
Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.jnj.com/innovativemedicine/japan/をご覧ください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びイムブルビカ®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社の予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題又は遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新の会計年度のForm10-Kに基づくJohnson & Johnsonの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、又はJohnson & Johnsonの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはJohnson & Johnson宛てにご請求ください。Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社は、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
参考文献
1 Wang, Michael et al. Ibrutinib plus venetoclax in relapsed or refractory mantle cell lymphoma (SYMPATICO): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 study. The Lancet Oncology, Volume 26, Issue 2, 200 – 213
2 https://clinicaltrials.gov/study/NCT02910583?term=PCYC-1142-CA&rank=1 Last accessed: October 2025
3 https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCT2021210055
4 Aoki R, et al.: Pathol Int 58: 174-182, 200
5 厚生労働省: 平成23年患者調査 第97表.
6 American Cancer Society. What is chronic lymphocytic leukemia? Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/chronic-lymphocytic-leukemia/about/what-is-cll.html. Last accessed: October 2025.
7 Eichhorst B, et al. Chronic lymphocytic leukaemia: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up Ann Oncol. 2021 an;32(1):23-33.
8 Moreno C. Standard treatment approaches for relapsed/refractory chronic lymphocytic leukemia after frontline chemoimmunotherapy. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2020;2020:33-40.
9 Bewarder M, et al. Current Treatment Options in CLL. Cancers (Basel). 2021;13(10):2468
10 European Hematology Association HemaSphere 10.1002/hem3.74 First-line ibrutinib treatment in patients with chronic lymphocytic leukemia is associated with overall survival rates similar to those of an age‐matched general population: A pooled post hoc analysis
11 ClinicalTrials.gov. A Study of the Combination of Ibrutinib Plus Venetoclax Versus Chlorambucil Plus Obinutuzumab for the First-line Treatment of Participants With Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL)/Small Lymphocytic Lymphoma (SLL) (GLOW). https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03462719. Accessed October 2025.
12 Jacobs et al., Outcomes in High-risk Subgroups After Fixed-Duration Ibrutinib + Venetoclax for Chronic Lymphocytic Leukemia/Small Lymphocytic Lymphoma: Up To 5.5 years of Follow-up in the Phase 2 CAPTIVATE Study. Poster presentation at 2024 European Hematology Association (EHA) Hybrid Congress; June 13–16, 2024. P675
13 ClinicalTrials.gov. Ibrutinib Plus Venetoclax in Subjects With Treatment-naive Chronic Lymphocytic Leukemia /Small Lymphocytic Lymphoma (CLL/SLL) (CAPTIVATE). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02910583. Last accessed: October 2025
14 Ghia P, et al. Fixed-duration ibrutinib + venetoclax for first-line treatment of chronic lymphocytic leukemia (CLL)/small lymphocytic lymphoma (SLL): up to 5 years of follow-up from the FD cohort of the phase 2 CAPTIVATE study. 2023 American Society of Hematology Annual Meeting. December 10, 2023
15 European Medicines Agency. IMBRUVICA Summary of Product Characteristics. April 2025. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/imbruvica-epar-product-information_en.pdf. Last accessed: October 2025.
16 Turetsky A, et al. Single cell imaging of Bruton's tyrosine kinase using an irreversible inhibitor. Sci Rep. 2014;4:4782.
17 de Rooij MF, et al. The clinically active BTK inhibitor PCI-32765 targets B-cell receptor- and chemokine-controlled adhesion and migration in chronic lymphocytic leukemia. Blood. 2012. 119(11):2590-2594
18 J&J Data on File (RF-419273). Global number of cumulative patients treated with Ibrutinib since launch. June 2024
19 Pollyea DA, et al. A Phase I Dose Escalation Study of the Btk Inhibitor PCI-32765 in Relapsed and Refractory B Cell Non-Hodgkin Lymphoma and Use of a Novel Fluorescent Probe Pharmacodynamic Assay. Blood. 2009; 114(22): 3713.
20 World Health Organization. WHO prioritizes access to diabetes and cancer treatments in new Essential Medicines Lists. Available at: https://www.who.int/news/item/01-10-2021-who-prioritizes-access-to-diabetes-and-cancer-treatments-in-new-essential-medicines-lists Last accessed: October 2025.
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