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FUTURE FINANCE Symposium「地域経済と金融の未来を考える」開催報告

フューチャー株式会社

2025年10月16日
フューチャーアーキテクト株式会社

フューチャー株式会社(証券番号:4722)の主要事業会社であるフューチャーアーキテクト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:谷口友彦、以下フューチャーアーキテクト)は、2025年9月3日に「地域経済と金融の未来を考える」をテーマとするシンポジウムを開催しました。

第一部では元金融庁金融国際審議官 森田宗男氏、常陽銀行取締役会長 笹島律夫氏、福島銀行取締役会長 加藤容啓氏によるパネルディスカッションを行い、地域経済と金融の未来を展望し、銀行自らが改革を進めることで地域全体を変えていく仕組みづくりについて議論しました。

第二部では、2024年7月に福島銀行で稼働を開始したフルオープンAPIを備えた勘定系システム「次世代バンキングシステム」プロジェクトの責任者であるフューチャーアーキテクト取締役 小松高子をはじめ、プロジェクトを牽引するメンバーがDXで地域の未来を切り拓く取組みについて紹介しました。

 

【開催概要】

第一部 パネルディスカッション「地域経済と金融の未来を考える」

[パネリスト]   SMBC日興証券株式会社 社外取締役(監査等委員)取締役会議長 森田 宗男

                               株式会社常陽銀行 取締役会長 笹島 律夫 

                               株式会社福島銀行 取締役会長 加藤 容啓

                               フューチャーアーキテクト株式会社 取締役 乾 亮太

[モデレーター] フューチャー株式会社 取締役 山岡 浩巳

第二部 取組紹介「最先端のデジタル技術で切り拓く地域の未来」

                                フューチャーアーキテクト株式会社 取締役 小松 高子 ほか

日時:2025年9月3日(水)16:00~18:00

会場:東京国際フォーラム ホールD5

 

【パネルディスカッション概要】

人口減少や高齢化などによる経済発展への制約が地域における共通課題となっている中、第一部のパネルディスカッションでは「地域経済の活性化と金融機関の役割」および「イノベーションを金融サービスと地域の発展につなげるには」という2つのテーマについて議論しました。

 

株式会社常陽銀行 取締役会長 笹島 律夫

地域金融機関は、地元に根差した信用をもとに地域の実情に即した様々な活動を主体的に担うことができるため、人口減少をはじめとした社会課題への対応において果たす役割は大きい。我々としても取引先の課題解決に貢献するコンサルティング事業に活路を見出しており、成果が出てきている。将来的に少ない人手でサービスや機能を提供し続けるにはDXをいかに早く普及させるかが重要だ。当行ではまず自分たちが新しい技術を使ってみることでメリット、デメリットを認識し、改善の取組みをノウハウとして蓄積している。地域金融機関がお客様とのリアルな接点を維持し、お客様の悩みや相談にこたえられる体制を強化するには、DXによる行員の事務負担削減が必要だ。デジタルの活用があってはじめてリアルに資源が振り分けられるという考えのもと、当行では2014年より「FutureBANK」をベースに構築した融資業務支援システム「JAST」を導入した。お客様向けアプリケーションの充実を図ることでサービスを拡充し、お客様への提案や行員指導等にもデータ活用を進めている。

 

株式会社福島銀行 取締役会長 加藤 容啓

地域金融機関が地域経済活性化に貢献するには、「金融仲介機能」「お客様の課題解決を支援するコンサルティング」「中小企業のDX推進支援」の3つの役割が重要だ。特に企業のお客様には業務効率化や新たなビジネスモデル構築への貢献が求められている。当行では新中期経営計画の基本方針において「デジタルのチカラでリアルの力を最大化」を掲げ、2024年7月に導入したフルクラウド、フルオープンAPIの基幹系業務システム「次世代バンキングシステム」を活用しDXを推進している。本システムの稼働により、預金・融資業務では業務量50%削減を達成する見込みにあり、業務削減による店頭業務から渉外業務への人員異動も進んでいる。また、新システムにより商品開発にかかる時間とコストも大幅に削減できた。システムの変更・改定については地域金融機関のなかで一番早い銀行を目指していく。デジタルの活用による人的資源の集中と人材育成で対面営業の質・量の向上を目指すとともに、顧客接点増加とサービス充実により地域経済に貢献していく。

 

SMBC日興証券株式会社 社外取締役(監査等委員)取締役会議長 森田 宗男

地域金融機関には、既存のビジネスモデルから脱却した、顧客ニーズへのきめ細かい対応や地域課題の克服に向けたソリューションの提供が求められている。政府としても業務の実態を踏まえた様々な法整備や、地域金融機関の業務範囲の規制緩和、とりわけデジタル化・地方創生に資する業務を可能にする法改正や監督指針の改正といった対応を進めてきた。金融サービス仲介業の創設は、金融と非金融サービスの融合と埋め込み金融の拡大・進展をうけた一例だ。本年6月には地域金融機関による金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポートを発表し、議論の後押しを進めている。また、資金供給にとどまらない地域課題の解決に貢献する力を「地域金融力」と定義し、その強化に向けた環境整備も行っている。個人的には、地域金融力について議論するには、地域経済圏や商流圏における地域の金融機能確保など、マクロベースの視点が必要と考える。顧客に寄り添ったサービス提供や提案に向けてどのように技術を活用し、金融機能を埋め込むかの議論が深まることを期待している。

 

フューチャーアーキテクト株式会社 取締役 金融サービス担当 乾 亮太

地域金融機関が中長期的な社会課題に対応していくには、テクノロジーを活用した人材・ビジネスモデル両面でのイノベーションが必要だ。AIは今や単純作業の効率化にとどまらず、人間を超える専門性や創造性を発揮し始めている。人材面の変革実現に向けては、「DX推進」により質の高い「デジタルデータの蓄積」を進め、蓄積データを用いた「AI活用による業務進化」というサイクルを早期に確立するとともに、AI活用により優秀な専門人材を補完・拡充し、人手不足という課題を乗り越えることが地域経済を成長させる起爆剤になるだろう。一方、ビジネスモデル面では、中央集権的な現在の金融サービスを、APIを活用して最小単位で分散させ、地域に根ざした事業者の非金融サービスと融合させることが新たな価値創造につながる。地域金融機関がシンプルかつ機動力のあるシステム基盤を持ち、低コストで様々な金融機能を開放することができれば、地域金融機関は金融サービスの提供者という枠を超えて、地域社会の課題を解決するプラットフォーマーになれる。私たちもこれを支援することで地域経済の発展に貢献できると考えている。

 

[総括]

フューチャー株式会社 取締役 山岡 浩巳

地域創生は今や国を挙げての政策課題であり、地域金融機関には今後ますます多くの役割が期待される。本日のディスカッションでは、地域経済の活性化に向けた、金融仲介機能にとどまらないコンサルティングサービスの提供といった新たな付加価値創造に向けた取組みを紹介いただいた。また、地域金融機関ならではの、自らの信用やバランスシートにあらわれない非財務的な情報を活用した地元のシンクタンクとしての貢献や、デジタルとリアルを有機的に結合させて相互に強化していく取組みなど、各行における有益な事例を共有いただいた。また、金融庁でも地域全体の発展という高い視座を持って、金融イノベーションを後押しする制度整備を積極的に進めていただいている。改めて、デジタルの力は金融サービスを強化するだけでなく、地域全体の発展に貢献する大きな力になると感じた。

 

【取組紹介概要】

フューチャーアーキテクト株式会社 取締役 次世代バンキング事業推進担当 小松 高子

2024年7月に福島銀行、2025年7月に島根銀行にて稼働を開始した「次世代バンキングシステム」は、創業以来、全国30行以上の金融機関のお客様にコンサルティングサービスを提供してきた当社の実績と技術の結晶によって誕生した。「次世代バンキングシステム」はまだ生まれたばかりで、これを活用して、為すべきことは無限にある。今後は他業種との連携を進め、集められた膨大なデータをもとに、AI等も活用しながら新たなサービスや新商品の提供に取り組んでいく。本システムのリリースを端緒に、地域金融機関の皆さまとともに様々な課題に向き合い、地域経済の活性化に貢献し、地域から日本を変える「世直し」を実現したいと考えている。

 

◆次世代バンキングプロジェクトのシステム詳細、導入効果、今後の展望について

  フューチャーアーキテクト株式会社 次世代バンキング事業部

     宮本 真之、岩澤 栄文、中井 大貴、梅田 望、上野 純平、金丸 恭大

銀行業務の根幹となる勘定系システムにおいて、地域金融機関の9割が共同化システムを利用するなか、新商品や新サービスを提供するにあたり多大なコストと時間がかかることが大きな課題となっている。次世代バンキングシステムは銀行業務のあるべき姿を再定義し、最新のテクノロジーを活用してゼロベースで作り上げたもので、レガシーシステムの技術的な制約から解放され、将来の技術変化にも適応できる変化対応力が強みだ。本システムの大きな特長に、フルオープンAPIとビジネスルールエンジンがある。シンプルかつ疎結合なアプリケーション構成により、リアルタイムでのデータ活用が可能で、他サービスとの接続が柔軟に行える。最大の効果は、意思決定から実現までのスピードアップだ。業務ロジックをビジネスルールエンジンに集約したことで、変化へのスピーディな対応と品質の向上をともに実現している。例えば法改正への対応は、システムアップデートとして一括で反映され、新商品リリースによるシステム改修も短期間で実現できる。これにより、これまで保守・運用に重きが置かれていた「守り」のシステム投資を「攻め」に転換できることから、「次世代バンキングシステム」は経営戦略上の大きな武器になると言える。

システム構築にあたっては、設計情報のデータベース化やソースコードの自動生成、テストの自動化といった科学的アプローチを用いて最適なアーキテクチャを追求し、従来700万ステップが必要だった機能を60万ステップで実現した。さらにはお客様と一体となったプロジェクトマネジメントにより、勘定系システムでありながら3年半という期間で構築を成し遂げた。最後に、地域経済活性化の観点から、本システムを起点とした地域金融機関と地域企業との連携構想案として、地方大手書店の例を紹介する。まず書店会員アプリと口座データを連携すれば、シームレスな決済や相互送客、購買データと口座データに基づく顧客分析、ポイントサービスの共通化といった施策が考えられる。同様の連携を地域全体で行うことで新たな経済圏が創出され、集められた膨大なデータを商品開発や提案、融資リスクの判断などにも活用できるはずだ。

私たちは地域金融機関とともに未来を描くパートナーとして、今後も「次世代バンキングシステム」を進化させていきたい。

 

*参考プレスリリース

フューチャーアーキテクト、島根銀行の DX 推進を支援

2025 年の本稼働へ向け「次世代バンキングシステム」2 行目の導入

https://www.future.co.jp/architect/press_room/PDF/PressRelease_JisedaiBankingSystem_20230130.pdf

 

フューチャーアーキテクト、福島銀行に導入した「次世代バンキングシステム」が稼働開始

クラウド型基幹業務系システムにより地域金融機関の投資を「維持・保守」から「戦略」に

https://www.future.co.jp/architect/press_room/PDF/PressRelease_FAJisedaiBankingSystem_240716.pdf

 

■本件に関するお客様からのお問合せ先

フューチャーアーキテクト株式会社 小松

お問い合わせフォーム : https://www.future.co.jp/apps/contact/fai/project_experience_entry.php

 

■本件に関する報道機関からのお問合せ先

フューチャーアーキテクト株式会社  広報担当 :清水、石井   TEL:03-5740-5721  

お問い合わせフォーム : https://www.future.co.jp/apps/contact/fai/press_interview_entry.php


プレスリリースURL

https://kyodonewsprwire.jp/release/202510157119

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。詳細は上記URLを参照下さい。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。