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【伊東健治教授が「Best paper award」受賞】米国IEEE主催の無線電力伝送技術の国際会議で。

学校法人金沢工業大学

スマートフォンへの遠隔充電の実証実験も予定。将来はドローンや月面ローバーへの応用も。

無線電力伝送技術に関する国際会議「Wireless Power Technology Conference and Expo (WPTCE2025)」 が、6月3日から6日までイタリア・ローマで開催され、
金沢工業大学 電子情報システム工学科の伊東健治教授の発表論文が「Best paper award」として表彰されました。

本会議は米国IEEE主催による無線電力伝送技術に関する中心的な国際会議。採択論文238件の中での受賞でした。
https://ieee-wptce.org/

【論文タイトル】
『A24GHz band highly efficient GaAs 1W rectenna MMIC electromagnetically coupled with an external AlN antenna for thermal dispersion』
【著者】
・伊東健治(金沢工業大学 工学部 電子情報システム工学科教授)
・佐藤亮輔(金沢工業大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻博士前期課程2年、伊東研究室)
・廣瀬裕也(金沢工業大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻博士前期課程修了、伊東研究室)
・坂井尚貴(金沢工業大学 電気・光・エネルギー 応用研究センター研究員)
・津留正臣(電気・光・エネルギー 応用研究センター連携教授)
・野口啓介(工学部電子情報システム工学科教授)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202506170648-O6-pxKf6sdi

【受賞した伊東教授の発表論文について】
電力を電波に変換して伝送する「無線電力伝送技術」は、1960年代から主に宇宙太陽光発電衛星システムで議論されてきました。近年は、数mWクラスの無線送電による温度センサなどを搭載したIoT(Internet of Things)端末のバッテリレス化への適用がはじまり、さらには数Wクラスの無線送電によるスマートフォンへの遠隔充電(図1)が検討されています。将来に向けて数100Wクラスの無線送電によるドローンや月面ローバーなどの無人移動機(UAV)向けの給電も視野に入れています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202506170648-O1-zKzS6U0h

総務省の国家プロジェクト「電波資源拡大のための研究開発」のうち「空間伝送型ワイヤレス電力伝送の干渉抑制・高度化技術に関する研究開発」においては、USBでの電源供給に相当する電力(7.5W)での無線送電化を目標に参加研究機関による研究・開発が進められています。
そのなかで、金沢工業大学の研究チームは、新たに無線電力への適用が検討されている24GHz帯の電波を直流に変換する「受電パネル」の研究を分担しています。「受電パネル」は、アンテナと電波(交流)を直流に変換する整流器を一体化した受電素子であるレクテナを複数配置し、構成されています。
WPTCE2025においての発表論文では、このような「受電パネル」に適用する新たな受電素子・レクテナを発表しました。受電素子として、24GHz帯において高いエネルギー変換効率を有するGaAs(ガリウム砒素)集積回路と高い熱伝導率を持つ窒化アルミニウムによるアンテナ基板をモジュール化した「24GHz帯1Wレクテナ」を開発しました(図2)。高周波エネルギーの損失要素を最小化した結果、1Wの高周波入力電力で、直流への変換効率としては他に類のない世界最高の73.9%を実現しました(図3)。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202506170648-O4-ZjUO2q37

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202506170648-O3-25ZP5n3D

この「24GHz帯1Wレクテナ」を受電素子として用いる「受電パネル」では、「直流電力密度」として7.4kW/m²が予想され、スマートフォンへの遠隔充電のみならず、将来のドローンや月面ローバーなどへの無人移動機への適用が可能であることを示しました。

本研究は、総務省の国家プロジェクト「電波資源拡大のための研究開発」のうち「空間伝送型ワイヤレス電力伝送の干渉抑制・高度化技術に関する研究開発」において研究・開発された受電素子です。本年度は本プロジェクトの最終年度であり、このたび受賞した受電素子を複数組み合わせ、本プロジェクト参加の企業とともにスマートフォン等への遠隔充電を実証する予定です。将来はドローンや月面ローバーなどでの無線電力伝送への応用が期待されています。


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プレスリリースPDF

https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102928/202506170648/_prw_PR1fl_PNO14q4J.pdf

プレスリリースURL

https://kyodonewsprwire.jp/release/202506170648

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