匠の蔵~words of meister~の放送

ベフニックブレスワーク【ギター 佐賀】 匠:合瀬潤一郎さん
2010年02月06日(土)オンエア
佐賀市大和町を拠点に活動する「ベフニックブレスワーク」のギター製作者・合瀬潤一郎さん。16年務めた大手のギターメーカーから独立後、「ギターの代名詞がベフニックと言われるように、地元から全国に発信していきたい」と、自宅車庫を改装した小さな工房から、自らが製作の全てを手掛けた、
ベフニックのロゴが輝くハンドメイド・ギターを送り出している。「楽器はアナログな昔ながらのモノが良いという、最新のテクノロジーとは逆行しているところがあるので、僕のように一人で作っている製品でも、世界の有名メーカーと同じように扱われるんですよね。そういうモノ作りの世界というのは少ないと思うんです。急に“車のメーカーをやりたい”と言っても無理ですが、楽器の世界ではそれが可能で、世界の超有名メーカーと隣同士に並べられて売って貰う事も出来るというのは、とても魅力的な事ですよね」。テクノロジーといったモノは、研究や開発など、一夕一朝に出来るモノではない。しかし、より人間にとって根源的な器や楽器など、使う人の好みによるところが大きいモノは、誰もが参入出来る。その分、その人のセンスとアイディア...気持ちが込められた、本当にイイモノだけが生き残る。「僕は長く愛される楽器、手にしする人にとってかけがえのない1本を作る為に、お客さんの要望は徹底的に取り入れます。どうしても譲れない部分もあるのですが、逆に、どんな要望を出されようとも、お客さんが言われたように作ってみせる…という気持ちもあるんですよね。また、それが出来るようになれば、自分自身の幅も可能性も広がっていきますからね」。音楽の嗜好に違いがあるように、ギターの嗜好もプレイする人の数だけ多種多様にある。その数だけベフニックブレスワークのギターの可能性も広がる。そんな合瀬さんの作るギターは、基本的にシンプルで低価格。軽く弾いてもバンバンと音が出ると評判で、プロのアーティストたちからも愛されている。「専門家が“これは良い”と言ってくれるよりも、沢山の人に使って貰うのが、僕は一番評価されている事だと思うんですよね。何百万円もするようなモノもある程、凄く値段の高くなっているビンテージのギターなどは、その殆どが当時の高級品ではなく、多くの人たちに使われてきた普及品なんです。高級品がビンテージとして現在に残っているのではなく、大事に使われてきた当時の普及品を、今のミュージシャンたちが、“これはイイね”と言って使っているからこそ、ビンテージとなる…。本当に良いモノというのは、そういうモノじゃないかと思います。高級品は皆大事に使うので、当然残りますよね。しかし、それが良いギターかどうかは、また別の話で、僕が目指すのは、とにかく多くの人に使って貰えるギターを作るという事ですね」。万人が分かってくれる、そして、買ってくれる、使ってくれる...それは、音そのものだけではなく、軽さ、持ち運びやすさ、丈夫さなど、チェックポイントが多くなることを意味する。しかし、そこに挑戦するというのは、やはり、モノ作りの人間のロマン...。そして、合瀬さんのように、それに挑んだ人間の作った楽器だけが、後世にビンテージとして受継がれる。「ギターは、殆ど接着で出来ているんですよ。ネックとボディーを繋ぐ部分を唯一組んであるだけで、後は全て接着剤で、ペタペタくっ付けてあるだけなんですよね。ギターに使う木は柔らかくて薄い為、少々曲がっても無理矢理くっ付ける事が出来るのですが、その接着というのが、凄く音に影響する重要な部分ですので、なるべくナチュラルにくっ付けるように心掛けています。その為には、その前の段階の作業というのが重要になりますし、当然、一番最初から丁寧に作業をしていかないと、どこかで変な事になってしまいます。ですから、一番最初から最後まで手抜きをしない事。これが一番大事ですよね」。

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