匠の蔵~words of meister~の放送

住まいの木工房 むっく   [佐賀 家具] 匠:倉富高鋭(たかとし)さん
2006年02月04日(土)オンエア
佐賀県多久市の静かな街で、それぞれ木工に関わる仕事をしている4人が集まり始めた、手作り家具の工房「住まいの木工房 むっく」。この工房では、使い手のことを考え、有害な接着剤や塗料などの有機溶剤使わずに、自然素材にこだわった家具を作っている。そして、「むっく」の倉富高鋭さんは、ここ数年、自然素材へのこだわりを追求するために、新たな事業にもチャレンジしている。「例え家具が自然素材のものだとしても、その家具を置く家が、有害な物質を使っていたら意味がないでしょ。だから小規模ですが、大手のハウスメーカーでは作ることが出来ない、オリジナルの家作りも提案しているんです」。その倉岡さんのこだわりに、時にはお客さんが根を上げることもあるそうだ。「本当に使い手の事を考えると、既製の商品を売るのではなく、それぞれのお客さんに合わせたオリジナルな商品でなくては意味がありません。ですから私は徹底的にお客さんと打ち合わせを行います。お客さんの仕事の終わる夜の9時から始めて、終わるのは12時を越えていたなんてこともありますよ」。その倉岡さんの本物に対するこだわりと熱意には、ただただ脱帽するばかりだ。「むっくをブランドにしたいという事で一生懸命やって来ましたけど、ブランドにしたいってゆうのは、本物ですよって事なんです。本物だから絶対、騙しはありませんよ、という意味で今までやって来たんですよね。だから、とにかくこれからも、全てを本物で埋め尽くせるように、本物の良い住まいを作りたいと思って、今、むっくハウスに取り組んでいますね」。本物を定義することは難しいが、こだわりが無くて出来るものではないだろう。静かな山間の工房で、ムク材に向かって、本物作りに取組む匠だった。

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