匠の蔵~words of meister~の放送

イタリア家庭料理&カフェ 南の風【イタリア料理 大分】 匠:田井正宣さん
2012年02月25日(土)オンエア
「たまに食べる高級イタリアン」ではなく、「毎日食べる家庭的なイタリア料理」をテーマに掲げる『イタリア家庭料理&カフェ 南風』の若きシェフ、田井正宣さん。「イタリアでは町ごとに地元の食材を使ったレストランがあり、肩肘張らずにそれぞれの地域のマンマの味が楽しめるんですよね。地元のお婆ちゃんが打ったパスタなど、僕はそのような食べる人への愛情が込められた料理に魅了され、高級イタリアンではなく、家庭的なイタリア料理を目指すようになりました」と、イタリア中北部マルケ州ベルフォルテでの料理留学から帰国後、田んぼの広がる由布院の郊外に建つ、心くつろぐ家庭的な雰囲気の店内で、地元の旬の食材を使ったイタリア料理で客をもてなす田井さん。「由布院で営業を行う理由は、新鮮な食材が目の前で手に入ることに尽きます。自分の住んでいる、その足下にある食材を使っていく方が楽しいですからね」。もともとナポリ、ボローニャといった、それぞれの土地によってまったく食材の違う地方料理の総称として用いられ、その地方にある食材で作るのというのが根本にあるイタリア料理。田井さんはその本質を捉え、茄子やキュウリの自家栽培なども行いながら、地元の食材にこだわり続けていると言う。「イタリア料理を日本でやろうと思い、イタリアから食材を仕入れる方いますが、僕はやはり地方の料理ですから、湯布院の食材を使った料理というのを目指しています。当然、最初は難しくイタリアの食材を使っていたのですが、やはり日本の食材には日本の食材の良さ、湯布院の食材には湯布院の食材の良さというのがありますので、和の技法も取り入れながら、それをイタリア料理にアレンジして料理をやっていこうと」。そこにあるのは、イタリア料理の真似事ではない、日本という地方にある正に本物のイタリア料理。「イタリアでは地元の高級店に地元の人は来ないんですよね。ここは、そんな場所ではなく、地元の人たちに気軽に来て欲しい。そんな願いを込めて料理を作っています。格好をつけた料理をかしこまって食べるのではなく、飾らない普段着の料理をワイワイガヤガヤと笑顔で食べてもらう。そんなお客さんの姿を見ることが、僕にとっての喜びでもありますからね」。

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