匠の蔵~words of meister~の放送

米丸手工マンドリン工房【マンドリン 宮崎】 匠:米丸健ニさん
2011年02月19日(土)オンエア
全国でも数少ない手工マンドリン作家の一人「米丸手工マンドリン工房」の米丸健ニさん。米丸さんは「何世代にも渡って使われるマンドリンを作りたい」と40年以上も活動し、イタリアの民族楽器であるマンドリンを宮崎の工芸品として確立。「宮崎の匠」にも選ばれている。「イタリアからマンドリンが渡来して100年が経ったいま、この風土豊かな宮崎にあった、私なりの音へのこだわりを持ち、豊かな音質と音量、及び正確さを考えたマンドリン製作を目指しています」。ヘッド部分に女神が彫られていたり、ピックガードにアサガオの花が咲いていたり、「見て楽しい、弾いたら美しい」マンドリンを製作する米丸さんは、木の選択からネックの仕込みや接着方法など、様々な行程で半永久的に楽器が残る方法を選択。そのマンドリンは海外のアーティストからも評価されているという。「3年前に大阪で行われたソロコンクールで、1位となったフランスのアーティストが私のマンドリンを持って帰りました。アーティストは楽器を大事に扱ってくれますので、やはり嬉しかったですね」。そんな米丸さんのマンドリンは、高音の伸びがいいことでも評価されている。「私のマンドリンは、ハイポジションでもホールの最後列まで届くように設計しています。よく楽器屋さんが初心者の学生向けのマンドリンなどは、5年後に高音が出るようになればいい。初心者は高音がでる必要がないと言ってくる場合がありますが、私は製作者として初心者用であっても、1本、100万円を超えるプロ用であっても、変わらず、マンドリン1本でちゃんと音が出るように、演奏できるように製作しています。製作者が、このマンドリンは5年後に音がでますから買って下さいなんてお願いするのは不可能ですよね。どんな楽器であっても自分の名前の残る楽器ですから、気持ちを込めて、使う人が求める以上のマンドリンを、これからも製作していこうと思っています」。値段によって材料、材質は変われども、そこに込めた製作者としての米丸さんの想いは変わらない。楽器を演奏する人は、一度その楽器の製作者を訪ねてみるのもいい。製作者の想いを知る...。それは、これから音楽をやっていく上で、必ず何かを残すはず。そんな米丸さんの夢は、「宮崎をイタリア・ナポリのようなマンドリン音楽が流れる街にしたい」とのこと。陽気な米丸さんの話を聞いていると、南国・宮崎とナポリの雰囲気が重なりあう。

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