トマトの産地として知られる、大分県竹田市荻町にある「エコファーム21」の太田修道さん。1ヘクタールもの巨大なガラスハウスを建設し、夏には夏の、冬には冬の作り方で、徹底した品質のトマトを栽培している太田さんは、これからの農業の事を真剣に考えていた。「この地区もそうだけど、高齢化になって来てるんですよね。後10年経った時に、今、トマトを作っている農家さんが、多分、半分位まで減ってしまうと思うんです。農業に従事する人が少なくなって来ている今からの農業の事を考えると、やっぱり一人で面積をガンと持てるような経営をして行かないと、この地区自体を産地として守っていく事は出来ないかなという風に思いましてね」。太田さんは、ハウス栽培の先進国であるオランダまで足を運び、このガラスハウスを輸入したそうだが、風速55メートルまで耐える事が出来ると言う。「安定した収穫で、若者が夢を持てるような農業が出来ないといけないと思ったんです。農業はキツイとか汚いとか、そういうイメージがあるじゃないですか。そういうものじゃなくて、週休もニ日取れるようなサラリーマン感覚の農業が出来ないかなと思って、こういう事業を始めさせて貰ったんです。現状としては非常に厳しいものはあるんですけど、将来的には、そういう事を目指して行きたいと思ってるんです」。高級食材としてあるのではなく、多くの人に愛されている匠のトマト。だからこそ、選ばれた人にしか作る事が出来ないモノでは、長くは続かない。「今後は糖度の保障をしていきたいと思ってるんです。安定した収穫で安定した味を提供することが夢ですね」。太田さんの住む荻町は、これからも若者が夢を持って栽培した安定したトマトの産地としてあり続ける事だろう。
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