匠の蔵~words of meister~の放送

味のとんかつ 丸一  [鹿児島 とんかつ] 匠:武良章さん
2006年02月11日(土)オンエア
とあるCMで黒木瞳に「食べた〜い」と悲鳴を上げさせた、今や鹿児島を代表するとんかつ専門店「味のとんかつ 丸一」。その「味のとんかつ 丸一」の武良章さんは、20年前に地元・鹿児島に今の店を開いたそうだ。「とんかつと言えば、黒豚の本場、鹿児島の料理というイメージが強いでしょ。でも、生まれは東京の上野なんですよ。そして、今からおよそ20年前の鹿児島では、とんかつは家庭料理として扱われ専門店が無かった。鹿児島の人々にとって、何故、家庭料理のとんかつをわざわざ店で食べるの?って感じだったんです」。そんな時代に、本物のとんかつ専門店を開業した武さんは、東京のとんかつ屋で、本物のとんかつと出会い、決して安い家庭料理ではない事を知る。そして、その本物のとんかつを地元の人々に知って貰いたいという想いを強くしたそうだ。「鹿児島という所は、畜産王国なんです。畜産王国って言う事は、質の良い豚肉がある訳でしょう。だから地元から、まず良いものを食べて貰いたい。地元の人に良いものを教えて上げたいって言うのが、自分の考えでもある訳です。鹿児島の良いものが、他所で良いものに化けられるよりも、まず自分の地元の人に…、やっぱ自分もこっちの人間ですから、知ってもらいたいと。鹿児島の女性が大阪・東京に行って、ミス大阪なんかになってごらんよ。地元の人は何やってたのってなるでしょう。それはもったいない話ですから。損失ですよ。」。しかし、食材の供給地であったが消費地ではなかった鹿児島で、とんかつの専門店を開いたことは相当の苦労もあったそうだ。「雨の日も風の日も台風の日もね、営業時間ピシっと守って、来た方々にソツなく食べて頂くと。利益は二の次っていうやつです。だから、普通の店が1回で利益を取る所を、ウチは2回で良いと。それはもう最初に覚悟決めましたね。来るもんなら来てみろと。まずければお金はいらんよと。返したこと2回ありました。今までで」。黒豚の本場なのに、とんかつを広め、その味を守るという大変な努力があったのだ。その努力が報われた事が納得させられる、間違いの無い、美味い1枚のとんかつだった。

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