匠の蔵~words of meister~の放送

綾の手紬染織工房  [宮崎 紬染織工房] 匠:秋山眞和さん
2006年04月01日(土)オンエア
宮崎は綾町で、糸を紡ぐ事から染色・織りまで全てを手作業で行う「綾の手紬染織工房」。主人の秋山眞和さんは、およそ40年前に、沖縄からこの地に移住し、琉球織りをベースに昔ながらの織物作りを行っているそうだ。そして、秋山さんが手作業にこだわるようになったのは、ある理由があった。「最初は機械を入れて、量産して市場に出したんですけども、全然売れなかったんですよ。ネームバリューって言うのか…、福岡だったら博多織とかのブランドじゃないと売れないんですよね。それで先に進むんじゃなくて、思い切って回れ右の織物を作ってみようと思ったんです。失敗が無かったら、気が付かなかったと思いますけどね」。そんな秋山さんは、自分の織物を「先祖帰りした織物」「スローフードのような織物」と呼んでいる。なる程、その織物は、手作業ならではの風合いが感じられ、昔ながらのしっかりとした、間違いの無いモノだった。しかし、その発想の転換と着眼点というのは、どこから生まれたのであろうか。「モノ作りの考えを180度違える事だけですから、そう大した事ではないんですよ。追い込まれますと考えますって人間は…ははは」。大事なのは量を作るのではなく、ブランドを作る事。華美なもの、派手なもの、高いものだけがブランドじゃない。本当に良いものをコツコツ作り続けることで生まれる。秋山さんが、この綾の町で築き上げたブランドとは、突然降って来たものではなく、ゆっくりとした時間をかけて、じわぁ〜と湧いて来たものだろう。そんな秋山さんの座右の銘は、「おごらず、くさらず」だった。

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