匠の蔵~words of meister~の放送

龍水亭  [佐賀 川魚料理] 匠:徳永英輔さん
2006年04月08日(土)オンエア
携帯電話の電波も届かない佐賀は有田屈指の景勝地、竜門峡にほど近い川魚料理の専門店「龍水亭」。山水画のモデルになるような、いわゆる俗世間から隔離されたような場所に店を構えて、85年になる老舗の名店だ。主人の徳永英輔さんは、老舗ならではの「龍水亭」の家訓があるという。「こうやって自分達が商売というかビジネスをやっていて、少しでも利潤が出た場合には、その利潤は形を変えて、お客様にお返しをするような気持ちでいなさいという事が、家訓なんです」。そして、そのお返しには、有田という街ならではの、もてなしの心が溢れている。「料理の代金は出来るだけ安く設定して、料理を取り囲む器類はですすね、出来るだけ有田を代表するような器でお迎えしようというのが、自分達の気持ちなんです。器を楽しみながら料理も楽しんで欲しい。それが地場産業を支える我々の使命だと思っています」。利潤を料金で還元することはモチロン、陶器という目でも還元するというのは、世界に名だたる陶器の街である、有田ならではの考え方だ。徳永さんは、「有田の街があってこその、こちらの龍水亭である?」という質問に、自信を持って「そうです」と答えてくれた。そんな徳永さんの座右の銘は、「一歩一歩」。一足飛びに物事は進まない。日々の努力が報われる。そうして「龍水亭」の85年の伝統は守られている。

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