匠の蔵~words of meister~の放送

海邦商事 黒糖本家【黒糖 沖縄】 匠:セントローレント真紀さん
2010年05月29日(土)オンエア
平成3年の創業以来、沖縄の原材料を素材に、伝統的な地釜炊き製法で黒糖を製造・販売する「海邦商事 黒糖本家」のセントローレント真紀さん。「サトウキビの汁は2〜3時間で発酵してしまいますので、やはり鮮度が命です。沖縄の原材料にこだわる理由は、そこですよね。それと、やはり沖縄の基幹植物でもあるサトウキビを生産する第一次産業の農家の方々が元気にならないと、私たち第二次、第三次産業も含めた沖縄全体が元気になりませんよね。沖縄の企業として、沖縄を元気にしたいという想いは当然あります」と、沖縄の太陽と大地の恵みを受けて育った新鮮なサトウキビを使い、昔ながらの懐かしい味の黒糖を、真心込めて手作りしている。そんな真紀さんは、「ミネラル豊富な黒糖は、ヘルシーな食べ物として認知されているが、消費者のニーズに応える商品が少ない」と、30代の若い感性で次々と新商品を開発。中でも「むちむちきなこ」という名前の、きなこをまぶした柔らかい一口サイズの黒糖が大ヒット商品となっている。「若い方にとって黒糖は、身近なお菓子ではありません。ですから普通のお菓子として食べる習慣を持って欲しいと考え、若い方が食べやすい味、若い方が手に取りやすいパッケージ、若い方が持ち歩きやすい大きさ...そういう商品を開発しました。こだわりの味という海邦商事の主力商品とは、別のカテゴリーに分類される商品ですが、これが売れることによって、海邦商事の知名度もアップして、元々ある主力商品の売り上げも伸びています」。こだわって作るのはいいが、頑なにその商品だけを作り続けていたのでは、なかなか、そのこだわりを伝えることは難しい。柔軟に新しい商品も開発し、結果、自らの黒糖作りへのこだわりを広く伝えることに成功した真紀さん。その会社の社訓には「常にお客様の立場になって、買う気で作れ海邦商事」と言葉があった。「黒糖は、水に溶けにくく料理に使い辛いという意見が聞かれたので、粉状の黒糖も製造しているのですが、消費者が使い勝手が悪いと感じているモノを、使い勝手がいいように変えていくことは企業として当然のことですよね」。そんな真紀さんは将来、二代目を継ぐ予定。「今度はチョコレートメーカーとコラボレーションした商品を開発したい」と、その未来を見据えていた。

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