佐賀県・大和町の名尾地区に伝わる「名尾和紙」。この地区は山間に位置するため耕地が少ない。そこで1700年頃から農家の副業として紙漉きが発達したという。最盛期にはこの地区の多くが紙漉きに従事したが、この技術を今に伝えるのは「谷口手透き和紙工房」のみとなった。 ここのご主人、谷口祐次郎さんは「私はいろんな紙があって良いと思っています。だから、昔ながらの基本のやり方は忠実に守っていきたいですね」と語る。 現在、名尾和紙を伝える唯一の工房。その使命として基本技術を後世に伝える谷口さん。重要無形文化財にも指定されているこの技術で作られる和紙は、可憐で力強く、温かみに溢れている。
| 前のページ |