匠の蔵~words of meister~の放送

アートリーフOKA【空間デザイナー 宮崎】 匠:岡美智子さん
2010年06月12日(土)オンエア
ビニールレザーにアクリル絵の具で色をつけて作った、造花の葉っぱのみを使い、ウエディング会場から店舗まで、あらゆる場所を心なごむ空間にデザインしている「アートリーフOKA」の岡美智子さん。岡さんは、葉っぱの集合体で日本の四季を表現。それをアートリーフ(リーフ=葉)と名付け、これまで数々の賞を受賞するなど、宮崎を代表する空間デザイナーとして活躍している。「もう20数年前なのですが、宝石店の展示会があった時に、造花の葉っぱだけで展示会場を活けたんですね。少し寂しいと思われるかも知れませんが、やはり展示会場では、お客様と宝石が主役ですから、花と違って脇役である葉っぱなら、華やかではないかも知れませんが、落ち着いた雰囲気の空間を演出できると思ったんですよね。それを多くの方が喜んで下さったのがアートリーフの始まりです」。そうして、今では不定期に依頼されるイベント会場などの演出の他に、毎年クリスマス時期の宮崎空港のロビーをアートリーフで演出。県外から宮崎を訪れる客を出迎えている。「色んなイベントをする時に、私を選んで下さったことに対して応えようと思いますよね。それにどうやって応えるかは、まず自分が、アートリーフの前に立って感動できるかどうかなんです。小さな世界なのですが、やはり自分が感動できないと、他の人も感動してくれないと思うので、いくら『やり直すなんてプロじゃない』と言われようが、自分が感動できるまでは何回でもやり直しています」。相手は自分の感性を信じて選んでくれたのだから、自分の感性にどこまでも素直に従う。そんな岡さんの頑固な製作姿勢は、葉っぱを表現の主役に選んだことからも読み取ることが出来る。「葉っぱは常に脇役ですが、そんな葉っぱだけでも色をつけて集合させると桜や紫陽花や向日葵といった季節の花や、もちろん紅葉や雪にまで表現できるんです。そんな風に葉っぱだけで季節を感じてもらおうと、一年を通して製作しているうちに年月が過ぎて、アートリーフとに興味を持ってくれる人が増えたという感じですね」。岡さんは、一発で「おお〜」と人を感動させる花ではなく、あえて脇役であり地味な葉っぱを使い、創意工夫しながら、ゆっくり、じっくり...人の心に沁みるモノを作っている。プロにも色んなタイプがいるが、そうして何度もやり直しながら、コツコツと積み上げてきた岡さんのプロとしての製作姿勢は、アートリーフというジャンルを確立し、多くの人々を感動させていた。

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