匠の蔵~words of meister~の放送

吉田旗店 [旗店 宮崎] 匠:吉田儀男さん
2008年05月31日(土)オンエア
宮崎県内屈指の水産の町である北浦町で、平成元年に県の伝統工芸品にも指定された大漁旗を作り続けて70年を超える歴史を持つ、「吉田旗店」の三代目・吉田儀男さん。現在は北浦町で唯一の旗店として、手染めや印染めなど伝統的な技法を駆使して、色鮮やかな大漁旗を制作している。「もともと大漁旗は、漁の帰りを港まで出迎える家族に、大漁を知らせる旗として生まれました。今でも海事には欠かせないものとして、北浦町ではなくてはならないものなんです。新しい船が船出する時には、多い船で一隻あたり20本くらい制作します」。そんな大漁旗には、主に富士山、鶴、亀、鯛など縁起が良いとされる柄に、大きな船名などの字が描かれているのだが、その中には、厳しい漁の安全を願い大漁を祈願する漁師と家族の想いも込められている。「こだわりは字と色の美しさですが、漁師は、荒波にもまれながら命を張って沖に出て行きますからね、やはり縁起の良いもの、品質の良いものを作ろうと心掛けています。出来る限り手を入れて、お客さんの納得するものを制作していこうという意気込みで仕事をしています」。命懸けで漁に出る漁師の決意に負けないように、自分の持てる技術のすべてを大漁旗に注ぎ込む吉田さん。そんな吉田さんような人達の想いが、海の町、ここ北浦町を支えている。ちなみに、今は娘のみどりさんが四代目として修行をしている。女性が大漁旗を作る事は珍しいそうだが、近い未来、女性的な感性で新しい大漁旗の文化が花開く事だろう。

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