匠の蔵~words of meister~の放送

ギター製作家 [福岡 ギター] 匠:中村通さん
2007年05月26日(土)オンエア
福岡市の中心部から、車で1時間程の場所にある閑静な住宅街の中で、主にクラシックギターを中心に製作している、ギター製作家、中村通さん。中村さんは、今時珍しく、糸巻きと弦以外は、すべて手作りでギターを製作している。「今、安くて良いギターは沢山あります。でも、大量生産のギターでは、どうしても越えられない壁があるんです。僕は自分が納得出来るギターを作りたいんですよね。だから手作りにこだわっています。」。そんな、中村さんには、自分の作りたいギターの理想が、明確にあると言う。「人それぞれ、音楽の好みも違うし聴き方も違うでしょう。楽器を作る上で、やはり音楽のイメージをしっかり持つっていう事が大事なんですね。僕が心掛けてる事は、生の演奏会を沢山聴きに行く事ですね。良いギターは、生で音を聴くと違いが分かるんです。そうやって耳を鍛える事を注意していますね。その中で、こういう音楽が好きっていうのをしっかり持てたら、それを自分が作る楽器で、どう表現出来るかっていう事なんです。そこからは試行錯誤ですよね」。そんな中村さんの姿勢は、製作者と言うよりは表現者に近いものがある。「やはり、一番考えている事は、妥協しない事ですよね。それは自分に妥協しない事なんです。だから僕は月に1〜2本しかギターを作れません。ゆっくり、納得のいくものを作っています」。何となくイイでは、何かを表現する事なんて出来ない。まず、理想をイメージ出来るように努力する。そして、そのイメージに向かって、妥協なく創作を続けると、中村さんは、「更にイイ音のイメージが生まれて来る」と言う。「多分、一生終わりはないんでしょうね」。中村さんは、そう苦笑いしながら言った。

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