匠の蔵~words of meister~の放送

かわら畳店 [長崎 畳] 匠:川良武徳さん
2006年06月10日(土)オンエア
長崎の矢上町で大正8年から創業を続ける畳店「かわら畳店」の3代目、川良武徳さん。古き良き日本を感じさせる佇まいの店の横には、今は珍しいオート三輪車「ミュゼット」が置いてあった。「何故か古いモノに惹かれるんですよね。ほら、古いものって良い仕事をしているものが多いでしょう」。若い頃、京都で修行を積み、地元に戻って畳屋を継いだ川良さんは、「今では沢山の種類の畳があるけど、日本の気候には、やはり国産のイグサが合うんです。」と、昔ながらの国産のイグサを使った畳作りにこだわる匠だった。そして、そんな大量生産出来ない昔ながらの畳は、「寝転んだ時の感覚が違います。更に年数が経てば、その違いがハッキリと出て来ます。」とも言っていた。「安かろう悪かろうっていうのは、僕はあんまり好きじゃないっちゅうかね。自分も物を買う時には、やっぱり、ちょっとでも良いものを欲しいって思う感覚なんで、お客さんにも、そういう風にしてあげたいな〜ていうのがあるんです」。そんな川原さんは、仕事の進め方に対してもこだわりがあった。「僕は1日1軒しか仕事をしないようにしているんです。手広く商売をすると、どうしても質が落ちてしまいますからね。仕事が終わってお金を貰う時に、やっぱり良い仕事をしていた方が、気分が良いじゃないですか」。匠の話を聞くとき、あまりお金の話は出てこない。でも普通、人は値段に見合う物かどうかを考える。そんな目線を失わない川良さんは、長崎・矢上町の人の心に根をおろした匠だった。

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