「ぬかは生き物です。赤ん坊の育て方と一緒で、大事に愛情とありがとうって心を込めてやらないと」と、小倉・旦過市場に明治38年から店を構える老舗「吉勝」の中村さん。新鮮な魚介類を使った味噌漬などが人気の「吉勝」だが、ここを代表する味と言えばやっぱり「ぬか味噌炊き」。100年以上も前から受け継がれてきたぬか味噌が使われているだけに、おいしいのは当然のことかもしれない。　現在、自宅にぬか床を持つ家庭は少なった。しかし、今でも小倉の各家庭にはぬか床があるという。各家庭で愛情込めて育てられたぬか床。それを使ったぬか味噌炊きは、また格別の味がするのだろう。ぬか床のない方は、ぜひ一度、「吉勝」で味わって欲しい。

｜ 前のページ ｜