匠の蔵~words of meister~の放送

三線職人 渡慶次道政【三線 沖縄】 匠:渡慶次道政さん
2010年07月03日(土)オンエア
昨今の沖縄音楽ブームにより広く知られるようになった三線...棹と呼ばれる棒に、三本の糸が張られた沖縄の伝統郷土楽器で、その歴史は500年以上、7種類の形が現在まで継承されている。そんな昔より人々を魅了し続けてきた三線の製作職人として、県内随一の腕を持つ渡慶次道政さん。文化財保護委員会監修の「開鐘三線」を手掛けた他、三線製作技能展でも高い評価を受けた渡慶次さんだが、自らもプレイヤーとして活動。数多くの弟子を抱えている。「三線を作る人は、三線を弾けなくてはいけませんし、自然に弾けるようになると思います。やはり三線は楽器ですから、三線は作るけど弾けないということでしたら、その良し悪しは分からないですからね。三線の一番の魅力は、三線を伴奏に自分の歌をのせることにありますから、その魅力を知らずにいるのは間違いだと思います」。三線が…そして歌うことが大好きだから、その魅力を最大限に引き出したい。そう願う渡慶次さんのように、三線を心から愛し、楽しんでいる人が作るモノは信用できる。「三線は最初が肝心です。習いたてですから安い方が良いと買われる方が主流ですが、やはり安い三線ですと、上手になるに従って満足しなくなるものです。人の演奏を見たり聞いたりしている内に、必ず『もう少し、良い三線が欲しいな〜』という風になってきます。ですから、無駄にしないように最初から良い三線を選ぶことをお奨めします。良い三線は、子から孫に譲って形見にもなりますし、その家の家宝にもなりますからね」。そんな
渡慶次さんは、「三線の良し悪しは、棹を見れば分かる」と言う。「大事にしているのは、やはり棹の部分の形ですね。丸いところは、ちゃんと丸みを出して、カドのところは、ちゃんとカドを残すようにこだわっています。そして、とにかく時間をかけてゆっくりと丁寧に作ることですね。例えば一今日出来上がって、これで仕上がったと思っても、翌日に見ると必ず絶対に手直ししたくなるんですよ。ですから、仕上げたと思っても1〜2ヶ月は寝かして、また新たな気持ちで見た方が、より良い三線が出来上がります」。親から子、子から孫へと引き継がれ、その家の家宝にもなると言う沖縄の三線…。ただ良い音が鳴るだけではない、しっかりカドがあり丸みのある渡慶次さん作る三線は、そんな家宝たるにふさわしいフォルム、そして風格を放っていた。「職人として自分の技術に満足したらお終いです。“しきんはてぃ〜い〜”つまり、“世間は自分が思っている広いよ、知識や技術はもっと上だよ”と、常にそう思って努力していかないと、駄目になってしまいますからね」。

| 前のページ |


| 前のページ |