かつては新婚旅行のメッカとして、日本有数の観光地として名を馳せた、宮崎・青島。近年は旅行客が減少し、苦戦を強いられているが、東国原知事の就任以来、かつての賑わいを取り戻しそうな期待感が溢れているそうだ。しかし、旅館もただ手を拱いている訳ではない。利用客の少ない昼間に、地域の人達に旅館のサービスを楽しんで頂こうと、旅館としては日本で初めてのデイサービスを始めた「青島観光ホテル」の女将、高柳節子さん。高柳さんは約半世紀もの間、そんな心を込めたサービスを提供してきた事が評価され、今年、黄綬褒章を受章したそうだ。「48年間で約200万近いお客様と接してきた訳ですから色んな事が見えてきます。接客は単なる技術ではいけません。やはり心が伴わないと。技術は色んなマニュアルがあるかも知れませんけど、それをそのままでは、少しもお客様の心を打つ事は出来ませんからね」。人も千差万別なら接客も千差万別だろう。ある人には良いサービスが、違う人には凄く不愉快なサービスとなる場合もある。「でも、真理は一つですよね。やはり親切にして差し上げて、そして、おもてなししようというその心があれば、みんな人間ですから、やはり心が通じれば、大抵、何か行き違いがあってもお許しして頂けますし、そこの所はね、そんなに心配してませんけど、あははは」。程度はあるが、心を込めて親切にされれば嬉しくない筈はない。出すぎず引っ込まずなんて、その塩梅は、まずはやってみなければ分からない。
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