昭和28年、アメリカ海軍を相手に、日本で初めてハンバーガーショップの営業をスタートした「佐世保バーガー ヒカリ」のオーナー、藤谷英則さん。今、空前のブームとなっている佐世保バーガーだが、藤谷さんは、ハンバーガー自体、日本人に馴染みのなかった時代から、日本人が好む味を意識した、ハンバーガーの開発に力を注いでいたそうだ。「ケチャップの代わりに日本人の好きなマヨネーズを使おうと。でも、味がくどくならないように、パテにも改良を重ね、10年くらい試行錯誤を繰り返しました」。そうして出来上がった「佐世保バーガー ヒカリ」のハンバーガーは、その大きさの割に、何個でも食べられる程、あっさりしている。「高校生が部活の後に買って帰りますけど、1人2〜3個は、普通に食べますよ」と言う藤谷さんの言葉にも頷ける。そんな「佐世保バーガー ヒカリ」には、今、ブームに乗った様々な誘いもあるそうだ。「あっちこっちから支店を出せと言われるけど、支店を出すと、どうしても味が変わるので、一切、支店を出すつもりはありません。小さい時、おばあちゃんに手を引かれて食べた味が、大学に行っても、まだ忘れられんって言って食べてもらえれば嬉しいもんですから」。「マスター、その年で、まだ頑張ってるんですねって言われるんです。だから、ハンバーガー作りは、まだまだ新人には任せられません。自分の手でやっています」。佐世保の人達に愛され、佐世保の人達に育てられた「佐世保バーガー ヒカリ」の味は、これからもずっと、変わることなく、長崎・佐世保の定番であり続ける。
| 前のページ |