匠の蔵~words of meister~の放送

竹炭の里【竹酢液 宮崎】 匠:飯田浩一郎さん
2010年07月24日(土)オンエア
自然豊かな宮崎市の山奥…孟宗竹の林に囲まれた場所で、美容、健康、環境をテーマに竹炭、竹酢液を製造している「竹炭の里」の代表・飯田浩一郎さん。原材料となる竹から育て、昔ながらの本格土窯を使用し、熟練した職人が匠の技で作る高品質の商品は、日本全国の多くの人々に支持されている。「一般的に炭は単価が安く、そんなに高い金額を頂ける商材ではないんですね。その中で生き残っていく為には、どうすればいいのかということを考え、私たちは量より質ということで、あえて製造に時間と手間のかかる土窯にこだわり、高品質の竹炭と竹酢液を作っています。また、竹炭を混ぜた石鹸や、竹炭を混ぜた枕を作るといった具合に、竹炭に付加価値をつけることに特化した商品展開も行っています。そのアイディアの基本は、販売員が聞いたお客様の生の声、お客様のニーズです」。そんな飯田さんは、平成14年に、金融関係の仕事で赴任していた東京から地元・宮崎にUターン。人の手が入らなくなり、近年拡大するようになった竹林被害の防止にも繋がることから、地元への貢献にもなると、父親が興した「竹炭の里」を継ぐ決意を固めたと言う。「竹は物凄い速さで成長しますので、竹を切って竹炭を作ること自体は、環境への負荷がほとんどないんですよね。逆に竹をそのままにしていると山が荒れ果ててしまいます。今はおよそ3ヘクタールの竹林を自社で所有していますが、今後も徐々に増やして行きながら、美しい里山作りにも貢献できればと思っています」。飯田さん自身、製造業に携わるのが、初めての経験だった為、最初は戸惑ったそうだが、クレームも含めた客様のニーズを誠実に汲み取りながら前進。今では新しい商品開発の指標も取り入れていると言う。「竹炭にしても竹酢液にしてもそうですが、竹炭の場合は、宮崎県の工業技術センターと共同研究という形で、科学的な裏づけデータを取っています。また、竹酢液の場合も宮崎大学と共同研究で、成分分析を行っています。竹炭の里では、そういうデータに基づいて、お客様にもキチンと説明を行い、納得して頂いた上で、お買い求め頂くというスタイルを取っています」。その昔、炭は解毒用に忍者が常に携帯していたと言われているが、人は竹炭や竹酢液が、感覚的に良い、凄いということを知っていても、具体的に、どこがどう良い、凄いのかは殆ど知らない。「竹炭の里」の商品が多くの人に支持される理由は、昔ながらの数字とは無縁のように思える世界に、あえてデータを持ち込み、その魅力をキチンと分析、説明しようとする飯田さんの製作姿勢にある。「今後は、さらに竹炭と竹酢液を全国にアピールして、紀州と言えば備長炭と呼ばれるように、いつか竹炭、竹酢液と言えば、宮崎県と呼んで頂けるようになるのが夢ですね」。

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