ダシで伸ばした味噌、炙った白身魚の身、キュウリ。このシンプルな材料で作られた汁をご飯にかけただけの「冷や汁」。長年、暑い宮崎の夏で食べられてきた郷土料理だ。よって、各家庭にはそれぞれの「冷や汁」があるという。 郷土料理の店として宮崎県を中心に、東京にも店舗を持つ「魚山亭」は上品な冷や汁が食べられると地元でも人気。宮崎の食材に惚れ込んでいる料理長の本田雅士さんは「なるべく手を加えないように、宮崎の食材をいかにしておいしく食べていただけるかを考えています。素材の良さに勝る料理方法はないと思いますから」という。その土地で採れる食材で、気候風土に馴染んだ料理を作る。そうした料理が、長年愛され続けるのだ。
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