匠の蔵~words of meister~の放送

グラスアート宮崎綾工房[宮崎] 匠:黒木国昭さん
2005年07月30日(土)オンエア
宮崎県綾町。緑豊かなこの場所に、ガラス部門で唯一、「現代の名工」に選ばれた人物のガラス工房がある。19世紀のガラスの巨匠、エミール・ガレの作品の復元に、世界で始めて成功し、薩摩切子を復活させた「薩摩ガラス工芸」の中心的人物となる…などなど、その肩書きには、平伏すより他はない。そんな工房の主、黒木国昭さんは、生まれ育ったこの場所で、グラスアートを42年間も作り続けている。ガラスという西洋の素材を使い、日本的な琳派の流れを汲んだ作品を作り続ける黒木さんは、「戦前、日本は特にヨーロッパから、文化大国として見られていた。今は、戦後に失われた60年間を取り戻す作業をしている」と語り、日本文化を代表する、「東海道五十三次」の浮世絵を、ガラスで再現すると言う、前人未到の試みに、17年掛かりで取り組んでいる。「これから本当に少しずつ時間をかけて、日本の文化の本物を、海外にどんどん出して行くことが、本当の意味の芸術文化の、大きな交流の役に立っていく事だろうと思うんです。」黒木さん目には、そのガラスを通して、時間も空間も越えたモノが見えている。「アーティストたるもの、本物の目を持つことが大切です。本物を見る目とは、常に本物を見ることで養われます。」

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