匠の蔵~words of meister~の放送

バイロン【喫茶店 長崎】 匠:水本勝彦さん
2011年09月17日(土)オンエア
熱々の鉄板にのった、厚さ4センチはあろうかというボリュームたっぷりのハンバーグが人気の喫茶店「バイロン」のマスター、水本勝彦さん。「私たちが若かった時代は、皆さん喫茶店によく行っていましたよね。そんな昔ながらの喫茶店の雰囲気が大好きなんです」と、約30年前に、19世紀を代表する詩人、ジョージ・ゴードン・バイロンからその名を頂いた念願の喫茶店をオープン。以来、人から人へと看板メニューであるハンバーグの美味しさが口コミで広がり、今では地元のみならず、県外からも多くの人が、その味を求めて、「バイロン」に訪れるそう。「ハンバーグに使う肉は、ウチだけの配合のミンチを個人の精肉店から仕入れています。肉の質は、この30年間、日々進化していますが、常に現在の1番を仕入れているつもりです。そして、ハンバーグは焼きを入れて保存するのではなく、すべてお客さんが来てから焼きを入れています。時間はかかるし面倒ですが、その方が絶対に美味しいですからね」。ステンドガラスがあしらわれた、古き良き喫茶店の風情を残す店内で、決して手を抜かず、常連客から一般の客まで、その舌を満足させている水本さん。そのハンバーグへのこだわりの原点は、青年時代の思い出にあると言う。「自分自身、ハンバーグが大きだったんですよね。若い頃に近くの小さな個人のレストランに行って、ハンバーグステーキを食べたんですが、その美味しさに、うわ〜とビックリしてですね。もう一人分、『すいません、もう一ついいですか』と、同じモノをおかわりしたんですよ。若かったので、問題なく食べられたというのもありますが、それ以来、ずっと、『あ〜こんなハンバーグを作って出せればいいな〜』と考えるようになったんですよね。まだ舌も肥えてなかったのかも知れませんが、本当に、そのハンバーグとの出会いが、私の人生を変えましたよね」。水本さんの人生を変えたそのハンバーグは、今ではもう味わうことは出来ないそうだが、水本さんが味わった感動は、しっかりと受け継がれ、今も多くの人の心を動かしている。ハンバーグが大好きで、大好きで...一人の青年のそんな想いが形となったハンバーグ。そっとナイフを入れると肉汁だけではなく、水本さんのロマンも溢れ出してくるようだった。

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