匠の蔵~words of meister~の放送

五足のくつ[熊本 旅館] 匠:山崎博文さん
2005年08月13日(土)オンエア
 小学生の頃に読んだ「ガリバー旅行記」。その著者、スイフトの旅行家という肩書きに興味を抱いた旅館「五足のくつ」のオーナー山崎博文さん。その影響から旅行好きとなり、世界各国を旅したという。当然、さまざまなホテルに泊まり、その体験が宿造りにも活かされている。 「どうせやるなら、アメリカでいうハイダウェイ・ホテルを造りたかったんですよ。隠れが的なホテルですね」と山崎さんは言う。「旅館には仕掛けが必要だと思います。旅館は虚構な空間かもしれないけど、だからこそリアルなモノを使用しないといけない」と続ける。この言葉通り、'02年にオープンした「五足のくつ」には吊り橋や階段、門など多くの仕掛けが施されている。'05年秋にオープンするCゾーンにも新たな仕掛けを考えているという。 「旅館を建てる前、この土地から海を見ていたら、ふとアジアの中の天草という言葉が浮かんだんです。当時、天草スタイルと言えるモノがなかったので、自分の思うように造ることができました。また、天草を追求することで、日本を知ることができたと思う」。 天草の老舗旅館に生まれ、旅好きとなって世界のホテルに泊まった経験を持ち、その経験を活かして、生まれ故郷に天草スタイルを確立した山崎さん。「最初は旅館をする気はなかった」と語っていたが、世界へと続く東シナ海を目の前に見る旅館「五足のくつ」のオーナーになったのは、必然だったのだろう。

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