匠の蔵~words of meister~の放送

くりや食堂 [鹿児島 鰹料理] 匠:篠原信明さん
2006年09月16日(土)オンエア
豊かな海に囲まれた鹿児島県指宿市山川にある「くりや食堂」。山川ならではの名物料理をと、最初に鰹のタタキを出した店としても知られる、「くりや食堂」の2代目、篠原信明さんは、「この大きな海に囲まれて食べる鰹のタタキは最高でしょう」と、満面の笑顔で迎えてくれた。しかし、篠原さんは、「まだ100%の人が、鰹のタタキを好んでくれている訳ではないんです。」と、その特製タレの研究に力を注いでいる。「女性でもサッパリと食べて頂けるようにしたいですね。」という、篠原さんが作る特製タレは、商品化のオファーを受ける程、すでに完成された感がある。しかし、今尚、その研究を怠らないのは、篠原さんの商品に対する考え方があった。「タタキを食べて、あれ、ここのタタキ、ちょっと違うんだねとか言われたり、土佐のやつと全然違うねとか言われたりすると、悔しいじゃないですか。だったら、気に入るように作ろうじゃないかという気持ちは出来て来ますよね」。そんな篠原さんは、これが「くりや食堂」の味だという押しつけはしたくないそうだ。「お客さんがあって、そして、まわりの方があって築いた店ですからね。ですから、俺はコレだって言っても、僕の一人よがりかも知れないし。もちろん自信はありますよ。でも、これやって皆がおっしゃって食べに来て下さるという事が、やっぱり1番嬉しいですよね」。何も考えないヤカラは置いといたとして、素晴らしい仕事を成し得る人の中でも、自分の仕事に、いつもビクビクしている人がいる。その人達は、決して努力してない訳でも、自信が無い訳でもない。これでベストだと思うと、そこで成長が止まってしまうと考え、常に上を求めているだけだ。篠原さんは、そして、「くりや食堂」は、今日も進化し続けている。

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