匠の蔵~words of meister~の放送

魚福 [魚料理専門店 鹿児島] 匠:福留正広さん
2008年10月04日(土)オンエア
牛肉や豚肉のイメージが強い鹿児島で、「日本人は魚」と魚を看板に掲げて27年になる魚料理専門店「魚福」の大将・福留正広さん。「太平洋と東シナ海に挟まれた鹿児島は、魚が美味い土地なんです。そしてウチのお客さんは、そんな魚を食べたくて来ています」と、福留さんは鹿児島で捕れた天然の魚貝類の殆どをシンプルに刺身で提供している。そんな多くの魚好きを魅了する、福留さんの目利きの確かさは、「これまで多くの授業料を払って来たからね」と言う経験の中で育まれてきたそうだ。「私は27歳まで普通のサラリーマンとして働いていたのですが、その後、料亭などに魚を卸している魚屋で修行し、魚の事が分かるようになりました。ですから料理の修行をしていないので、技術では他の料理人に敵いません。それなら目利きのスペシャリストとなってシンプルに魚を提供しようと考えたんですよね。天然の魚しか使わないという店は沢山あるけど、天然の魚でもピンからキリまであります。私はその数ある天然の魚の中で最高の一匹を選んでいるつもりです」。そんな福留さんの店には「良い料理は偶然には生まれない」と書かれた色紙が飾られている。「やはり良い料理は、長年の積み重ねの中でしか生まれてきません。目利きは偶然ではなく勉強が必要です。毎日市場に通って良い魚を見抜く目を養う事が大切です。そして、そうしていると市場の人とも顔見知りになって、『今、こういうのが入っているよ』って声をかけてくれるようになりますからね」。そうやって積み重ねてきた手間や時間は、決して自分を裏切らない。福留さんの店で美味しい魚が食べられるのは必然という事だ。魚は、こういう人に選んでもらいたい。

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