匠の蔵~words of meister~の放送

さつま路 [鹿児島 老舗郷土料理店] 匠:内園陽一さん
2007年10月06日(土)オンエア
南国の気候に合わせ、腐敗しにくく保存しやすい調理法が生まれたと言われる鹿児島の郷土料理。その調理法など、様々な要素が盛り込まれた先人の技術を受け継ぎ、食を通じて「薩摩の心」を伝える老舗「さつま路」。日本列島を南に下る程、醤油が甘くなると言われているように、鹿児島の郷土料理の味付けも、甘くて濃いという特徴を持っているが、オーナーの内園陽一さんは、「郷土料理だからと言って、昔のままの味で提供していては生き残れないと思うんです。ですから味付けは、多少現代風にアレンジしています」と言う。そして、郷土料理店という事で、客は地元2割、県外8割という割合ながら、「地元の人に愛されないと県外の人にも愛されない」という想いで、郷土料理をベースとした、地元の人でも楽しめる創作料理も充実させているそうだ。そんな「さつま路」では、接客する上での決まり事がある。「どんな食べ物を食べているのかで、その土地の人間性が伝わると先代のお婆ちゃんが言ってたんです。ですから、鹿児島の人間は心が暖かいから、心が暖まるような料理をお出ししています。そして、従業員がお客様と接する時は、常に笑顔で地元の言葉で紹介するようにしています。県外のお客様が、『本当に鹿児島に来たんだな〜』『旅行に来たんだな〜』って思われるのが、やはり言葉なんですよね。折角、県外から来たのに『言葉は一緒だね〜』って言われると、薩摩の心が伝わりませんからね」。確かに旅に出ると、その土地の言葉と言うのは、旅情を掻き立てる隠し味というか最高の一品となる。そんな「さつま路」の料理には、本当に暖かいもてなしの心がこもっていた。

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