細川藩出入りの看板を持つ、熊本の老舗そば屋「大石そば」。熊本名物、赤酒の風味を効かせたツユは、甘さと辛さが程よく調和している。 より良いそばを提供するための新蕎麦会に所属し、日々そばのことを考えている店主の大石桂司さんはそこで知り合った方の店にもよく足を運び、学ぶ。「そこの店のアラを探したら、何も勉強にならない。良いところは必ずあるんですよ。それが自分には欠けている場合がある。それをどれだけ自分に加えこむかですね」と教えてくれた。店の歴史にあぐらをかかず、他人の仕事から自分の仕事を省みて、自ら打つそばを進化させてきた大石さん。この姿勢が老舗の暖簾を守り続ける秘訣なのだろう。
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