匠の蔵~words of meister~の放送

オランダの花やさん [花屋 長崎] 匠:吉村舞さん
2008年11月01日(土)オンエア
佐世保郊外の畑に囲まれた場所にある花屋「オランダの花やさん」のオーナー、吉村舞さん。フラワーアレンジの販売や教室を主な仕事として活動する吉村さんの店の名前は、オランダで学んだ個性を大事にするという精神に由来する。「花の種子などを探すプランツ・ハンティングという仕事をしていた父の影響で、小さい頃から花が大好きでした。そこで花の流通量が世界一であるオランダに留学し、フラワーアレンジを学んだんですよね。そこでは『アナタは誰?』『アナタは何をしたいの?』と問われる事から始まりました。その時、私自身がない事に初めて気付いたんですよね。そこから自分自身と向き合うようになり、自分が表現したい事を素直に考えるようになりました」。そんなオランダで培われた吉村さんの素直で自由な感覚から生まれるフラワーアレンジは、これまでの花束のイメージを変えるとまで言われ、多くの人からギフトなどで愛用されている。「ギフトの裏には、気持ちを届けるという所があると思います。例えば、お誕生日だから、こういうモノを贈りたいとか、母の日だから、こういうモノを贈りたいとか。そこには、日頃伝えきれないメッセージを伝えようという想いが込められていると思うんです。そこで、私はその人がどういう事を配慮したかっていう事を、私なりの言葉で手紙を添えて、メッセージにプラスしています。どんな材料を選んで、どういう気持ちになって欲しいっていう事を伝えながら、花と一緒に送り出しているんですよね」。美術品に楽器、そして、コースで食べる高級食材…そういうモノの価値は、我々凡人には、見たり、聴いたり、味わったりするだけでは分からない。やはりキチンと能書きを説明して貰って初めて分かる。そんなギフトに込めた気持ちや想いまでも伝える吉村さんフラワーアレンジは、多くの人と人との気持ち繋いでいく。「依頼されたから予算内でフラワーアレンジを作るのだけではなく、そういう想いを込めて作らないと、私自身が疲れてしまいますからね。受け取った方がどう感じるか分かりませんが、私は最後に箱を閉じる時、気落ちも一緒に封じています」。。

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