匠の蔵~words of meister~の放送

石鹸工房 暇楽  [福岡  石鹸 ] 匠:前田まさ代さん
2005年10月22日(土)オンエア
元々福岡の天神で、美容関係のキャリアウーマンとしてバリバリ働いていた、福岡の糸島にある「海辺の手作り石鹸工房 暇楽」の前田まさ代さん。都会でのせわしない生活の中で体調を崩してしまい旦那さんと空気のキレイな糸島の地に移り住んだそうだ。「糸島に住もうという事ではなく、田舎でゆっくりした生活を送ろうと思っていたら、この場所に出逢ったんです」。そんな前田さんだが、最初は田舎暮らしに戸惑う事が多かったそうだ。「時間の流れが違うので、最初の頃はイライラしていました。慣れるまでに1年くらい掛かりましたね」。そして、そんな前田さんの中で口癖になってしまったのが、「まあ、いいか」らしい。この「まあ、いいか」という言葉、無責任な言葉のように聞こえるが、「いい加減」=「ちょうど良い加減」にも似た、田舎暮らしの本質を表している。そして、そんな前田さんは、スローライフから生まれた石鹸を作り続けているが、そのキッカケは、「糸島では、下水設備が整っていないため、合成洗剤がそのまま海に流れてしまうんです。だから合成じゃないものを探したのですが、今の時代、合成じゃないものを探す方が困難なんですよね。それじゃあ自分で作ってみようかと」。今、前田さんのお店には、遠くからわざわざ足を運んで石鹸を買いに来てくれる人が沢山いる。「あの〜変わらずにそこにあるものって意外と少なくないですか?今の時代って。街を歩いても、次行った時には店が変わってたりとか風景が変わってたりとか。でも、田舎の良さって言うのは変わらない事。それは、ワァ〜といってワァ〜と散るんじゃなくて、細く長く、ず〜と変わらずにここにあるお店?そういうのが良いかな〜と勝手に思っているんですけどね」。今、前田さんの所には、「大きな会社から一緒にやりませんか」という話がいくつもくるそうだ。物質的な不自由と引き換えに、精神的な豊かさを得て生まれた石鹸が、前田さんを、またビジネスの世界に引き込もうとしてるって言うのも皮肉なものだ。でも何故田舎に来たか。田舎の良さを考えれば、おのずと答えは出るだろう0?

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