匠の蔵~words of meister~の放送

田嶋畜産 [食肉会社 佐賀] 匠:田嶋征光さん
2008年12月06日(土)オンエア
有明海を臨む藤津郡太良町で、長年、豚肉の卸業を営み、手作りハムやソーセージなどの加工食品を製造する「田嶋畜産」の社長・田嶋征光さん。田嶋さんは平成18年に、本場ドイツの「ズーファー食肉製品コンテスト」にソーセージを初出品し、満点のみに与えられる金賞を20品目中8品目で受賞。さらに7品目が銀賞、3品目が銅賞と、合計18品目で入賞を果たした。「ドイツのコンテストでは、ドイツの香辛料を使わなくてはいけません。ドイツ人の味覚と日本人の味覚は違いますから、当初はコンテストに参加する事の意義を見出せなかったんですよね。しかし、いずれ本場のコンテストで入賞した実績を持つという事が、当たり前の時代が来ると思い参加しました」。田嶋さんの読み通り、今ではハム・ソーセージの世界も、菓子の世界のように、海外のコンテストで入賞している事が当たり前となって来たそうだ。「参加する前は、これだけ沢山の賞を頂けるとは考えていませんでしたが、賞を貰った事で注目をされるようになりましたし、自分達自身も消費者の期待を裏切れないという気持ちが強くなりましたね」。そんな田嶋さんは、自らの技術を誇る訳でもなく、良いソーセージ作りで一番大事なのは、原料だと言う。「基本的に良い商品は、良い原料からしか出来ません。しかし、良い原料からも悪い商品は出来るんです。ですから、やはり一番大事なのは原料だと思います。しかし、良い原料を生かすも殺すも、自分次第というか、日頃の仕事への取り組み方、気持ちでしょうね。やはり、どこかで手を抜いてサボろうとすると、それなりの商品しか出来上がりません。それは絶対に違います。特にハムなどは、季節ものの商品ですので、どうしても忙しい時期が集中しているんですよね。そうすると、どうしても何とか早く済まそうという気持ちが出て来るんですよ。その場は1時間とか2時間、早く終わってしまうかも知れませんけど、それが最終製品となってしまえば、結局、返品となって戻って来たり、やり直しになったり、結局、二度手間になってしまうんですよね」。何でも経験が浅いうちは、楽をすることや楽になる事を、ちょこちょこと考えたがる。しかし、手を抜かない仕事は、自分を裏切らないし嘘をつかない事を田嶋さんは知っている。「もちろん、ソーセージ作りにはセンスも必要です。しかし、センスというものは1年2年くらいですと差が出ますが、長い期間続けると、自然に縮まってくるものだと思います。やはり何事も向上心を持って手を抜かずにやり続ける事が一番ではないでしょうか」。

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