匠の蔵~words of meister~の放送

竹田かぼす屋 [大分 カボス] 匠:森庄治さん
2006年12月02日(土)オンエア
大分の竹田市で、大分の名産品カボスを生産する「竹田かぼす屋」の森庄治さん。森さんは、「カボスは、全国の生産量の90%以上を大分県が占めています。そんな県産物なんてそうないでしょう。だから、大分県の人には、カボスは種があって当たり前なんです。でも県外の人には、味と香りは良いのに種が多いからって敬遠される事がある」と、種無しカボスの栽培に力を入れ、今では東京や京都の全国的に有名な料亭でも重宝されている。そんな森さんだが、本格的にカボスの生産農家としてスタートを切ったのは、意外にも3年くらい前の事だそうだ。「もともと親がカボス栽培をしていたんですが、後継者がいない中で、親が出来なくなったから、私は後を継いだだけです。それまでは会社員だったんですが、自分の考えの中で、親が作った畑を見捨てて現金収入を取った方がいいのか、それとも親が35年も続けて来たカボス栽培を、折角なら続けてやるほうがいいのかを天秤をかけて、それなら、よし、やってやろうかっていう事なんです。ただ他の人と違うのは、そこに種無しをボカッと持ってきた事ですかね」。そんな森さんだが、最初は苦労の連続だったそうだ。「最初は大変でした。投資ばっかりで、お金がかかるばっかりでしょ。それが段々借金が減って、あと5年先を考えたら、その時は取るよっていう…はははは。確信を持ってるから前にドッと行けるんです。後戻り出来る商売じゃないですからね。これだけ木を植えたら」。森さんは「後を継いだだけ」って言うけど、会社勤めとカボス栽培…、その天秤には、損得だけじゃない、親への熱い想いも乗っていた。森さんからは、ゆるぎない大きな決断を下した人にある、いさぎよさを感じることが出来た。そして、そんな森さんは、今、ホームページを作り、そこでもカボスの販売をしている。「生産農家がホームページを作ると生産者の顔が見えるでしょ。そうすると消費者との信頼関係も生まれやすいと思うんです。今では北海道からも注文が届きますよ」。そう言う森さんは「ただ北海道だと配送料が高くなるでしょう。それが悪いな〜って」と申し訳なさそうにしていた。

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