道具や料理は時代に応じて変化していくモノ。しかし、本当に良いモノは変わらなくても、時代に受け入れられ、伝統が受け継がれていく。熊本名物、からし蓮根は細川藩の時代からその姿を変えず、今に受け継がれている。 その元祖「森からし蓮根」の8代目、森久裕さんは「やっぱり意地があるんですよね。父がからし蓮根一本でやってきて、息子に代わって味が代わったと言われるのが、私達には一番ショックですから。暖簾の重さを父から受け継いでいるんで、これだけは守っていこうと思っています」と語る。変えることは簡単だが、変わらないことは大変だとよく言われる。変わらないための努力を惜しまない森さんの姿に、元祖の意地を感じる。
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