匠の蔵~words of meister~の放送

2011年総集編2 食編 匠:
2011年12月31日(土)オンエア
2011年に取材した匠たちの輝く言葉を振り返る。今回は食の分野で活躍する匠。まずは、全国区の焼き菓子「ダックワーズ」の生みの親「フランス菓子16区」のオーナー・パティシエ、三嶋隆夫さん。素材の鮮度を大切に、すべてを自らの手で作り、すべてを自らの目の届く範囲で売るというポリシーを貫き、全国屈指の名店として名を馳せる一方、決して多店舗化することなく、武骨に鈍重に歩み続けてきた三嶋さん。その言葉には、パティシエとしての誇りとプライドが満ち溢れていた。「仕事が細かいというのは愛情ですよね。私は若い職人に、『お客さんの笑顔を想像して仕事しているか?』とよく言います。例えば、バースデーケーキを囲んで『わ〜お父さん、お母さんありがとう』と笑顔になる家族の姿、その瞬間の絵を想像すると、細かい仕事が苦にならず、むしろ細かい仕事を楽しんで出来ると思うんですよね。楽しんで仕事をすれば、お客さんの為になる。そんな細かい仕事をすることが、私たちのやれること、やらなければいけないことだと思います」。満足した客の笑顔…人はその先にあるモノを想像することにより強くなれる。そして、満足といえば、長崎で創業86年を誇るフグ料理専門店、「ふぐ割烹新富」の堤新一さんが客に提供している満足は、とても興味深いモノだった。「料理店は、お客様を満足させるという使命がありますが、私はお客様に満足して頂く為には、やはり、お腹一杯にさせてあげないとダメだと思うんですよね。高価なフグ料理では、お腹一杯になれないという定説があるのですが、私はそれを覆したいと思い、値段をリーズナブルに設定し、最後はお客様が『食べきれない』とおっしゃるぐらいにしています。現実に、最後の雑炊、デザートまで食べて頂くと、今までのお客様は、『お腹一杯になったよ〜』と、完璧に満足して下さいますからね」。料理というと、どうしても味ばかりに目がいきがちだが、その味はもちろん、お腹も満足させてくれる堤さんのフグ料理。それは堤さんの温かい人柄同様、食べた人を笑顔にさせる長崎のご馳走だった。来年も匠たちの言葉を胸に精進していこうと思います。皆さん良いお年を。

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