2008年に取材した匠たち輝く言葉を振り返る。2回目は食の分野で活躍する匠。ますは春頃に取材した佐賀の甘味処「しるこ 一平」の2代目・高島良邦さんの話は、決して甘いものではなかった。「よく『あんまり甘くなくて食べやすい』とか、そう答えてらっしゃる方が沢山います。しかし、私は甘い物は甘い方が良いと思っています。甘さの意味が違うんですよね。私の店が目指しているのは、後口に残らず、心地良いサラっとした甘さなんですよね。ですから、ウチの商品は甘いです」。量の調整は簡単だけど、質の調整は難しい。甘過ぎない物を作るより、ちゃんと甘い物を作る方が難しい。心に沁みる一言だった。もう一つは、宮崎は高千穂で民宿「御宿 春芽」を営む藤高今朝徳さんの言葉は、
「ちょっと古いよ」なんて思われるかも知れないが、やはり胸にグっとくるものがあった。「お客さんが納得するか、しないかもあるんですけども、それ以上、やはり自分で納得していない料理を出すという事は、お客さんもおそらく納得していないんじゃないかという事で、日々、自分が納得出来るように精進しています。『努力の上に花が咲く』という言葉を、いつまでも心に思って努力をする。そんな日々ですね」。来年も匠たちの言葉を胸に精進していこうと思います。皆さんも良いお年を。
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