かつては、日本有数の観光地として栄えた宮崎。そして、昭和55年に創業し、宮崎の南端、都井岬付近だけで獲れる「旭蟹」と日向灘で取れた新鮮な魚介類を提供する「板前料理 岡田」は、その宮崎市内の繁華街の一角にある。主人の岡田満さんは、「宮崎は昔より観光客の数が減りましたが、実は昔から魚介類が豊富な土地なんです。伊勢海老は昔から有名だし、ハモもフグも有名です。でも全国的に知られていないんですよね。」と語る。そして、現在、岡田さんは、そんな宮崎の魚介類がブランドとして確立出来るように努力しているそうだ。「宮崎=魚というイメージを定着させたいんですよね。宮崎はゴルフ場が沢山あるから県外のお客様が多い。そんな県外のお客様が口コミで宮崎の魚を広めてくれるように、真心を込めて料理しています」。そんな岡田さんの真心は、目に見えない所にも発揮されている。「醤油にしてもですね。普通の溜まり醤油じゃなくて、鰹節とか昆布とか入れて、この店でブレンドしたものを提供しています。ポン酢も100%柑橘類の搾り汁を使っているんですよ」。この「板前料理 岡田」のある宮崎の繁華街は、郊外に次々と出来た大型ショップの影響で、昔より随分、寂しくなったそうだ。でも、この「岡田」は、今でも多くの人に愛されている。見た目の派手さだけじゃない、目に見えない部分の気配りに、人はやはり気付いているんだろう。
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