匠の蔵~words of meister~の放送

旬彩酒房 憲晴百【居酒屋 熊本】 匠:小西俊治さん
2009年01月03日(土)オンエア
2006年にスタートした全国の居酒屋の頂点を決める「居酒屋甲子園」で、初代チャンピオンに輝いた「旬彩酒房 憲晴百」のオーナー、小西俊治さん。大学卒業後、大手ゼネコンに就職したが、学生時代からの夢である「居酒屋経営」を実現する為、30歳の時に周囲の反対を押し切り、飲食業の世界に飛び込んだと言う。「親を安心させる為に安定したサラリーマンを選びましたが、結婚して子供が生まれた事が契機となりました。将来、自分の子供から親の為に仕事を選んだと言われたら悲しいでしょう」。そうして大学時代の同級生の店で働き始めた小西さんは、2ヵ月は給料を貰わず、その後1年半は1日も休まずに働いたそうだ。「修行時代はオーナーの為に、本当に誰よりも一生懸命働きました。そして、そんな姿というのは、やはり上の人が見てくれているもので、『君がそれだけ応援してくれるのなら、私も君を応援するよ』と本気で応援してくれたんですよね。その結果、今の自分があると思います」。そうして、今では「旬彩酒房 憲晴百」に加え、「晩酌屋 晴」という2店舗を構える居酒屋のオーナーとして夢を実現させた小西さん。成功の秘訣は、「他人の成功を応援すると自分も成功するです。ですから経営者となった今は、スタッフの事を本気で応援しています。そうすると彼らも自分を応援してくれますからね。彼らの夢を叶える事が自分の夢でもあります」。そんな小西さんの店は、人が人を呼び、これまで求人広告を出した事がないと言う。「スタッフを育てる為の投資は惜しみません。自分は従業員満足度イコール顧客満足度だと思っているからです。スタッフが仕事を楽しめないで、お客さんが店で楽しめる筈がないと思っているんですよね。やはりお客さんは、スタッフが楽しそうに一生懸命仕事をしている姿に、少し心地良かったり、楽しかったりすると思います。私は殆どお客さんと接する機会がありませんので、まずは、スタッフを楽しませる。そして、ここで働いて良かったと思わせる事に投資しています」。店には、美味い料理を食べに行くだけではなく、接客とか雰囲気も食べに行く。どんなに味が良くても雰囲気や接客が悪い店には、二度と行きたくないものだ。小西さんの店は接客も美味いという訳だ。「自分は、あまり大きい店には興味がありません。小さな店を沢山作り、それを自分のスタッフに継いでいって欲しいんですよ。自分の作った会社はスタッフと一緒に作ったものですから、やはりそれはスタッフと共有していきたいと思っています」。その輪が広がっていった時、熊本の街は、さらに活気溢れる街へと変わる事だろう。

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