独自のキャンドルを作り始めて15年…。3年前に自然に魅せられて福岡市内の中心部から、糸島の地に移住した「ろうそく工房 クレアーレ」の副島史絵さん。糸島に移住してからは、当然のように自然をモチーフにした作品が増えたそうだ。そんな副島さんは、ろうそくの魅力をこのように語ってくれた。「ろうそくって、火を付けるという、たったそれだけの事で、非日常を生み出す事が出来るでしょう。そこが魅力なんです」。副島さんの作るキャンドルは、そのままでも美しいのだが、火を付けてロウが溶けると、また違う表情を見せる。そして、その炎の影までもがアートになっていた。「今の日本は、どこに行っても常に電気が灯されている状態で、明かりが無いと不安になるみたいな所があると思うんですけど、時々、ちょっと明かりを消して貰って、ローソク1個、火を灯すだけで、その空間が全く日常を離れた、違った空間になるんですよね。本当に大切な家族や大切な人との時間を過ごす中で、そういう時間をちょっと持てたらいいな〜っていう風に思うんです」。スイッチ一つで部屋の明かりが灯る今の世の中にあって、ローソクというのは、とてもアナログ的な代物だ。しかし、そんなアナログ的な代物の方が、贅沢な時間を生み出すことが出来る。ちょっとした晴れの日に、静かにゆらめくローソクの炎が演出する非日常を味わう。人生…そんな余裕を持ちたいものだ。「ロウソクの炎のゆらぎって、明かりの根源ですよね。その部分っていうのは、やはり、なんとなく心を和ませてくれる…、落ち着かせる部分っていうのは、すごくあると思います」。副島さん作るのキャンドルは、確かに非日常を演出してくれる。そして、その本当の真価は火を付けてみなければ分からない。「ローソクは、火を付けるのがもったいないと言う人が多いんですよ。でも、是非火を付けて楽しんでもらいたいですね」。
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