「当時のモノは本当に精密で、最後の最後までくまなく綺麗に磨いてあるんです。だから、今の作り手も妥協しないで作ることが大事。いわゆる晴の日用や日常を豊かにする器として使っていただければと思います。そして日本文化に根ざした形や使い方を楽しんでもらえる美術工芸品にしたいですね」と言うのは、薩摩切子のカット師、中根聡子さん。 「薩摩切子」は幕末に生まれたが、わずか10数年で途絶えた。それを昭和61年に復活させたのが中根さんのいる「薩摩ガラス工芸」。「薩摩切子」独特のボカシ(グラデーション)は、冷たい印象のあるガラスに温かみと奥行きを与える。これで薩摩の芋焼酎をやると、格別な味になることうけあいだ。
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