肌にも環境にもやさしい保湿効果の高い石鹸を製造する工房『アイランド・アロマ』の佐敷好美さん。埼玉県出身の佐敷さんは大学卒業後、大手食品会社を経て、六本木ヒルズで石鹸の製造、販売に携わるように。その後、結婚を機に2005年に沖縄に移住。宜野湾の丘の上にある白い一軒家に構えた工房で、沖縄の自然が育んだ天然素材を使用し、加熱しないコールドプロセス製法で、日々、一つ一つ心を込めて、大切に石鹸を手作りする。「現在はゴーヤー、黒糖、月桃、モズクなどを使った13種類の石鹸を製造・販売していますが、そのすべては古くからヨーロッパでお母さんが我が子のために作ってきたマルセイユ石鹸がベースとなっています。子どもの頃からの夢が『やさしいお母さんになること』でしたから、私にぴったりの石鹸なんですよ」。そうして沖縄で本当の母親となった佐敷さんの愛情が込められた石鹸は、観光客の口コミによって評判となり、日本全国から注文が入るように。「私の石鹸は、あえて東京などでは販売しないようにしています。私の目の届く範囲でないと、私の想いまでお客様には伝わりませんからね。やっぱり沖縄に来てとか、私と連絡を取ってとか、沖縄の空気も一緒に詰めながら発送するという販売方法を取っています」。そんな佐敷さんは以前、自らの石鹸で肌が美しくなった女性が性格まで明るくなり、ファッション、髪型も変わった姿を見たことがあるという。「肌が元気になると心まで元気になると思うんですよ。また肌が健やかになるのとともに、心もリラックスして欲しいので、石鹸だけではなくアロマやハーブティーでのケアも薦めています。アロマは決して薬ではありませんので『治します』というモノではないのですが、代替医療として使ってくださる病院も増えてきたように、薬で治せない心の部分を健やかにしてくれる効果がありますからね。そうした心を癒すツールとして、私の石鹸が一つの入口になればいいな〜と思っています」。それは肌だけではなく心も元気にする石鹸。その一つ一つの石鹸には、心が喜ぶ佐敷さんの細やかな心遣いが溢れていた。「石鹸は直接お客様に肌を洗ってもらうモノなので、作り手として風邪をひかないように体調管理をしっかりしています。また来てくださったお客様に、心地いい状態で帰って欲しいので、心がリラックスする空間作りなども心がけています。お家に帰った時に、家族にも安らかな気持ちを与えられるような... 私の石鹸でそこまで癒されてもらえたならうれしいですね」。
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