匠の蔵~words of meister~の放送

ナチュラルファーミング【農園 大分】 匠:津高毅さん
2009年03月21日(土)オンエア
大分の豊後大野市で、土と作物が持つ本来の力を信じ、農薬や化学肥料を一切使わずに露地の野菜のみを栽培する農園「ナチュラルファーミング」の代表・津高穀さん。もともと有機農法で野菜を栽培する農家に生まれたが、祖父の他界をきっかけに、この農業の世界に足を踏み入れたそうだ。「若い頃、都会で一人暮らしをしていたのですが、両親から送られてくる野菜を口にする度、その美味しさに感動しました。それで自分もこんな野菜を作ろうと決意したんですよね」。無農薬を謳う農園は数多くあるが、この「ナチュラルファーミング」の特筆すべきところは、その栽培する野菜の種類の多さにある。「露地栽培にこだわる限り、新しい野菜を試せるチャンスは年に1度しかないので、とことん土を研究し、今では年間350種類の野菜を栽培しています。お蔭様でウチの野菜を使っていると宣伝に使うレストランなども増えてきたのですが、それならば、すべての料理でウチの野菜を使って欲しいですからね」。そんな津高さんだが、ここまでの道程は決して平坦ではなかったと言う。「『初心者は数を増やしたがる』『まだ若く経験がないので無理だ』など、周りからは色んな事を言われました。それでも諦めずに頑張れたのは、一生懸命続けていると少しずつですが兆しが見えるんですよね。大きな変化がある訳ではなく、少しずつ兆しが見えて、その度にそこに向かって突き進む。その繰り返しで今があると思います」。運気というか風というか、そういう流れの変化は、誰にでも必ずある。そして、その小さな追い風を励みに出来る人が、さらなる大きな追い風を捕らえて進む事が出来る。後は、その進む方向を間違えないようにする事が肝心だ。「人間ですから少し楽をしたいなと考える事はあります。しかし、その楽をしようというのが、農薬や化学肥料を使って楽をしようではなく、例えば野菜を植える間隔を少し広げて、足が着くようにしてやれば楽になるとか、作業効率が良くなるとか、そういう方面で工夫をしています」。そんな津高さんは、「今後は、全国にいくつかの農場を持ちたい」と言う。「その土地、土地で気候風土が違いますので、さらに多くの種類の野菜が作れると思うんですよね。幸いに応援して下さる方も増えていますので、そういう方々に感謝する意味も含め、農薬や化学肥料を使わない野菜が、当たり前に食べられる世の中になるように、これからも頑張ります」。

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