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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2020年3月28日「日本の予防接種の始まり」

インフルエンザのワクチン注射など、伝染病の抑止に大変重要な「予防接種」ですが、江戸時代に予防医学に取り組み、日本で初めて予防接種を成功させたのが秋月藩の藩医、緒方春朔でした。

秋月藩では寛政元年から天然痘が流行。
当時は治療の術もなく多くの人命が奪われる恐ろしい病気でした。
春朔は中国の医学書から学んだ"種痘"という予防接種の研究を重ね、患者にできた瘡蓋を粉末にして鼻から吸引させるという接種方法を考案します。

この時、かねてから春朔を支援し深く信頼していた大庄屋の天野甚左衛門が二人の我子で試すよう申し出るのです。
失敗すれば子供たちの命を奪うかもしれない...。
春朔は固辞しますが、甚左衛門は「これで多くの人が救えるのなら」と引き下がらず、その熱意に助けられ春朔は種痘を行うことが出来たのでした。
発病した子供たちは軽い症状で治まり元気に回復。
種痘に成功した春朔は、これを我がものとせず広く世に広め、春朔のもとには各地から多くの医師が集まり学んだと言われます。

春朔の種痘の成功は1790年寛政2年、イギリスの医師ジェンナーの牛痘による種痘法成功の6年も前のことでした。
福岡県の朝倉医師会病院には、初めて種痘を行う春朔と子供達、甚左衛門の姿が刻まれた顕彰碑が建てられています。