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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年9月21日「初めてのホームラン」

2008年4月26日に行われた全米の大学女子ソフトボール選手権の決勝戦で、オレゴンとワシントンのチームが戦ったときのこと。
ランナー二人を出してオレゴンの4年生サラが打席に立ちました。
サラはチームで一番体格が小さく、4年間の選手生活で一度もホームランを打ったことがありません。

ところが、彼女がフルスイングした打球はぐんぐん伸びてフェンスを超えます。
「ホームランだ!」
サラは大喜びで走りました。
が、興奮のあまり足がもつれて膝の靭帯を切り、1塁ベースで倒れ込んでしまったのです。

サラにとって初めてのホームラン。
けれど、塁を回ってホームを踏まなければ成立しません。
またチームメイトが支えて歩かせることはルールで禁じられています。
チーム全員が途方に暮れたそのとき、1塁を守っていた相手チームの選手が審判に声をかけました。
「私たちが彼女を運びます」

味方ではなく相手チームの選手がランナーの体を支えることを禁じるルールはありません。
こうしてサラは相手チームの二人に両脇を抱えられて塁を回ったのです。

サラも相手チームの二人も、だんだん自分たちのやっていることがなんだか可笑しく思え、くすくす笑いながら塁を回っていきました。
そんな3人を、ホームベースではチームメイト全員が涙を流しながら迎えたそうです。