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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年7月6日「ソックモンキー」

1929年10月24日、ニューヨークで株価が大暴落したことから世界中に広がった世界大恐慌。
米国では5000万人の失業者が溢れ、多くの人たちが貧しい生活を余儀なくされました。
子どもたちの暮らしも例外ではなく、遊ぶおもちゃさえ買ってもらえません。

ある炭鉱町で暮らすおばあちゃんは、幼い孫が何一つおもちゃを与えられていないことを不憫に思っていました。
でもお金はありません。
ふと窓の外を見ると、おじいちゃんの使い古した一足の靴下が干してありました。
おばあちゃんは閃きます。
「この靴下で人形を作れないかしら。」

当時、かかと部分を赤い布で補強した「レッドヒールソックス」と呼ばれる靴下が、労働者に愛用されていました。
この赤いかかとに注目したおばあちゃんは、片足の赤い部分を顔に、もう片足の赤い部分をお尻に見立ててサルの人形を作り上げたのです。
人形を手にした孫は大喜び。

そのことが口コミで広がっていき、同じものが一つとしてないおサルの人形
「ソックモンキー」が、全米のお母さんやおばあちゃんの手で作られ、子どもたちに愛されました。

それから90年経ったいま、レッドヒールソックスは現在も製造・販売され、そのパッケージの中にはソックモンキーの作り方が添えられています。