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提供:創価学会
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2019年6月22日「タイプライターを奏でる」

昔のアメリカ映画などを観ると、オフィスの風景で必ず登場するのがタイプライターです。
ここ数十年で文書の作成はパソコンが担うようになり、タイプライターは姿を消していきましたが、事務用品とは別の分野でいまも活躍しています。
それは音楽。

アメリカの作曲家ルロイ・アンダーソンが1950年に発表した管弦楽曲のタイトルは『タイプライター』。
仕事に追われる忙しいオフィスの情景を描いた作品で、演奏にはタイプライターを楽器として使います。
「パチパチパチ」というリズミカルなタイプ音や、行末に鳴る「チン」というベルの音、改行するときにレバーを押す「シュッ」という音が曲の随所に組み込まれているのです。

担当するのは打楽器奏者。
ただ正確に音を出せばいいというわけではありません。
いかにも会社の事務職風の服装でタイプライターを置いた机の前に着席して演奏が始まります。
さらに演奏パート以外では手をぶらぶらと振って疲れを取るしぐさをし、演奏が終わったら、タイプされた紙を取り出して指揮者に渡してステージから退場、というのがこの曲の演奏の取り決めになっているとか。

この曲はいまでも人気があり演奏する機会が多いので、オーケストラの打楽器奏者は日々、タイピストとしての腕を磨いているそうです。