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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年3月23日「昇降機ガール」

いまから162年前、1857年のきょう3月23日、世界初の実用エレベーターがニューヨークのデパートに登場しました。
日本では関東大震災を契機に、木造建築から地震に強い鉄筋のビルに建て替わっていった昭和初期からエレベーターが普及していきました。
東京のデパート・上野松坂屋もそのひとつ。震災で焼けた後、昭和4年に8階建てのビルを新装開店してエレベーターを設置します。
そのエレベーターと同時に日本で初めて登場したのが、「エレベーターガール」です。

華やかな制服姿でエレベーターを操作しながら来店客を誘導し、優雅にフロアごとの案内をするエレベーターガールは評判となり、他のデパートでも次々に採用。
彼女たちの姿を一目見ようと、週末のデパートのエレベーター前には長蛇の列ができたもので、当時の女の子にとってエレベーターガールは憧れの職業となりました。

平成31年のいま。
エレベーターはだれでも行きたいフロアのボタンを押すだけで安全に使えるものへ進化し、エレベーターガールは姿を消していきましたが、店を代表するシンボルとして、いまなおエレベーターガールを採用しているデパートもあります。

日本独自の文化のひとつとして外国の特派員記者をも感銘させたエレベーターガールという仕事。
そのおもてなしの心は、平成の次の時代に受け継がれていってほしいものです。