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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2019年3月2日「憎しみを超えて」

ノルウェーの探検家アムンゼンは、1911年に人類史上初めて南極点に到達した人物として有名です。
その後1926年に北極点にも到達していますが、そのことを知る人はあまりいません。それには訳があるのです。

アムンゼンは北極点をめざすのに飛行船を使う計画を立て、操縦士としてノビレ以下15名の探検隊を結成しました。
飛行船は無事に北極点に到達しましたが、飛行が成功するとノビレは「この計画は自分が中心となって実行され、アムンゼンを含め他のメンバーは乗客に過ぎない」と主張。
さらに勝手に探検の手記を発表したことから、北極点到達の名誉はノビレに渡されたのです。
ノビレの言動にアムンゼンは激しく怒り、憎むべき相手として絶交します。

それから2年後、ノビレは飛行船で再び北極点に向かいましたが遭難し、各国から国際的な救助活動が展開されました。
ノビレ遭難の情報を聞いたアムンゼンはどうしたのか?
彼は迷うことなく自家用飛行機に乗り、憎しみを超えて絶交した仲間の救助に向かったのです。
ノビレは他の救助隊に助け出されましたが、救助に向かったアムンゼンはそのまま行方不明になってしまいました。

いまなおアムンゼンの遺体は発見されていませんが、彼を尊敬する有志たちによって、定期的な捜索活動が現在も続いています。